5/10

『地域開発』5月号に「地域に適した多様な分散型バイオ燃料」掲載しました、ぜひご覧ください。


 皆様、5月の連休はいかがでしたか。沖縄はとても清々しい気候で、夜になると少し肌寒いくらいでした。
 月刊誌『地域開発』(財・日本地域開発センター)5月号に「地域に適した多様な分散型バイオ燃料 −もう一つの地産・地消の試み−」を掲載しました。
 目次のみ下記に示しましたので、ぜひお読みいただければ幸いです。

 40年前、本誌『地域開発』に「地域開発と参加 −計画理論における参加機能の導入」を書きましたが、気になって探し出して一読してみました。
 その主旨が同じなのに、地域開発、振興に40年近く関わってきたのですが、私の進歩のなさにガックリしました。



                ――  目 次  ――


            1.地域特性の活用、沖縄だから有利
            2.パーム・バイオ燃料、社会実験から学ぶ
            3.地元完結型だけではない相互地域振興
            4.栽培地の確保、Big WayとLakko
            5.バイオ燃料の特性、原産地の持続保障
            6.もう一つの地産・地消を可能にする
            7.国家エネルギー戦略と地域振興
            8.顔と顔の見える証券化、投資ファンド

            

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『沖縄大学地域研究所(温暖化対策班)との共同研究<バイオ燃料>が4月よりスタートします。』


 これまで吉川研究室鰍ニNPO・環境いきいき沖縄ネットワークで取り組んでいる「ジャトロファ(バイオ)燃料の沖縄への
導入プロジェクト」(輸入・使用)、沖縄大学地域研究所(温暖化対策班)との共同研究に、この4月から採用していただけることになりました。
 研究テーマ名は「温暖化対策とバイオ燃料−(副題仮)ジャトロファの輸入、その普及と可能性−」です。
 研究代表は沖縄大学の朝賀広伸准教授(環境政策)で、研究所長・緒方修教授と私(吉川)で、まずスタートしますが、
順次、専門家また使用者(ユーザー)代表(例えば観光バス、運輸業、燃料販売業など)、総合事務局、県、地方自治体、
地域代表に加わっていただき、沖縄社会での温暖化防止、環境悪化防止、さらに産業の促進を具体化しようとするものです。
 本共同研究の特色は研究だけではなく、産官学がまず沖縄という地域を具体的なケースとして取組み、成功例を作り、
これを日本全体に発信しようと意図しています。

 これを実現するために後に紹介するような共同研究計画(案)のような<研究の目的><研究項目と方法><今年度
研究計画>を踏まえて、各関係機関にご参加いただき、実現面でのご支援、調整、あるいは国への働きかけ(例えば
「沖縄バイオ特区」)をご一緒に展開していきたいと思っています。
 沖縄大学地域研究所との共同研究は、いわばそのスタート役とコーディネーター役を果たしていきたいと思っています。
このために皆様のところにお伺いしますので、よろしくお願いします。

         

2009年度 共同研究計画申請書
【研究班】
温暖化対策
【研究代表者】
朝賀広伸
【研究テーマ】
温暖化対策とバイオ燃料
【研究内容要約】

「温暖化対策とバイオ燃料」のテーマの下、沖縄社会における温暖化防止のための施策の一つとして、その有効性および可能性を探る。
【研究組織】
所員  2名   特別研究員 1 名      計 3 名

(氏名) (所属機関・部局・職) (現在の専門) (共同研究上の役割分担)

朝賀広伸 沖縄大学・法経学部・准教授 環境法政策 代表


緒方 修 沖縄大学・人文学部・教授 メディア政策 温暖化防止と沖縄社会への普及方法とその可能性



吉川博也 吉川研究室(株)代表・沖縄大学名誉教授 経営政策・アクションリサーチ バイオ燃料の温暖化対策としてのフィジビリティに係る調査研究
【研究の目的】


「温暖化対策とバイオ燃料」のテーマの下、第一に、沖縄社会における温暖化防止のための施策の一つとして、その有効性および可能性を探る。その上で、沖縄の振興、沖縄とアジアとの経済交流の促進の可能性を検討する。
【研究項目と方法】 1. アクションリサーチ・バイオ燃料
2. パーム・バイオ燃料の可能性
3. ジャトロファ・バイオ燃料の可能性
4. Big Way プロジェクト(開発輸入方式)の検討
5. 沖縄での可能性
6. 提案
【期待される成果】
(今年度)

・上記の研究項目に従い、沖縄に適した「温暖化対策とバイオ燃料」を検討し、その可能性を探る。
・地域研究所「彙報」として発刊を計画。
【研究の経緯】
(準備状況・昨年までの
研究成果等)





(新規)
アクションリサーチと称して、理論と実務を結び付けるコーディネートにチャレンジしている。その一つとして、
(1)沖縄の環境、健康問題解決のために、沖縄の環境特性(東南アジアに近く、環境が近似している、気温10度以上、など)を活用してバイオ(100%、すなわちB100のパーム・オイル)燃料の輸入(1.5年間、160トン、5社、30台)の地域社会実験(NPOによる会員制供給)を実施した。
(2)また、普及のためのヒヤリング、データ収集などを行なった。
【今年度研究計画】
(研究費使途との対応を
明記)



(1)ジャトロファの産地インドネシアでの現地調査(ジャトロファ・バイオ燃料の温暖化防止のための実現可能性について、追加データの収集を実施する)
(2)上記データ及びその他関連図書資料を参考に、沖縄でのジャトロファ・バイオ燃料の温暖化防止のための実現可能性、温暖化防止と沖縄社会への普及方法とその可能性について、検討する。
(3)これまでの成果について、地域研究所「彙報」として発刊。


「沖縄大学地域研究所の紹介」


 沖縄大学地域研究所HP

 ここに紹介しましたように、沖縄大学の「地域共創・未来共創」を実現するために設立、実施されてきました。
 本研究はこれまでの地域研究所の研究にはなかった、沖縄の産業振興と沖縄発全国へ
というのを新たに加えようとするものです。

3/13

『Jatropha(ジャトロファ)の実務、実践的、具体的なホームページの紹介』
 −地域に適した分散、多様なバイオ燃料戦略、沖縄でのアクション・リサーチ−

※本文内でわかりにくい用語等がありましたら、その際には吉川ホームページhttp://www.h-yosikawa.comのトップページ右上にあるGoogle検索を御利用下さい。

 私達は(吉川研究室株式会社)は、沖縄の地域特性が発揮できるバイオ(ディーゼル)の原料として、生産性がパームについでよく、しかも食糧とバッティングしないJatrophaの普及に取組んでいます。当初はバイオ(ディーゼル)燃料の普及とフィージビリティーの実証ということで、パームを原料としBDFを使い、沖縄で160トン(移・輸入)で実施しました。
 そしてさらにグリセリン、大量の洗浄排水、アルカリ廃液を伴うBDF(化学薬品にによるメチルエステル化、軽油化)方式ではなく、いわば「何も足さない、何も引かないSVO(ストレート・ベジタブル・オイル)方式による燃料化の普及にチャレンジしています。

しかし、残念ながらJatrophaをSVO方式ディーゼル燃料に使用できるのは、日本では年間を通して気温の高い(あったかく10度以下にはならない)沖縄だけです。
 私達は、まずこの提案を小規模(特定非営利活動法人・環境いきいき沖縄ネットワーク、会員)ですが、さらに沖縄の現実の社会での試み(私はこれをアクション・リサーチと呼んでいます)、収益性を含めてフィージビリティー、さらなる改善をしています。そして本格的に普及、ビジネス化を試みます。

 また、私達は今、低温の本土でも、これが使用できるように、いろいろな機関と協力、研究をしているところです。
 このようなことでJatrophaに関する栽培方法やスペックなど実務的、具体的なもについては、吉川ホームページ「1/19『熱帯地地域産業バイオ燃料(Jatropha油、パーム油、ココナッツ油)B100について−構造成分の評価を踏まえた規格適合性について−』」を参照されたい。国内に関しては、そのほとんどがJatrophaプロジェクトの投資やパートナー募集です。
 私と同様、実務的、具体的なことで困っている方々も多いと思いますので海外のホームページですが、御紹介させて頂くことにしました。

*本プロジェクトは、Big way International Indonesia Oil Ltd.と現地の農業法人KSU LAKKO の支援・協力によるパイオニア・プロジェクトで、沖縄でのアクション・リサーチです。



<Jatrophaに関するHPを紹介させていただきます。参考にしてください(日本語のページも検索できます)>

『The Jatropha System』
 −熱帯、亜熱帯の地域開発に関する総合的アプローチ−


 これは、燃料用Jatropha(curcas)原料(木)に関する情報と論文を広く集めた上で、その中から選択してあります。いろいろ参考になりますのでご覧ください。
 このホームページは世界中の中でも、Jatropha記事の多さでは一番ではないでしょうか。

    @ http://www.jatropha.org/


『Centre for Jatropha Promotion』
 −インドのジャトロファ促進センター、途上国開発からビジネス・モデルまで−


 Jatrophaの開発はインドがスタートです。これはその経験を踏まえたインドの「ジャトロファ促進とバイオディーゼル」のセンターのHPです。このHPはジャトロファの栽培方法から始まり経済、ビジネス・プラン、サプライ・チェーンまで、また投資収益から持続可能性の方法まで、また農村集落(開発)からビジネスまで対象が広い。
 そしてインドのジャイプールで毎年開催される農業研究プログラムでは、途上国から先進国まで、多くの人々が参加し、具体的なトレーニングなども紹介している。
 また関連記事、多くのHPが多くリンクされている。

    A http://www.jatrophaworld.org/


『Jatropha curgas』
 −マイナー油脂作物、FAO公報−


 国際連合食糧農業機構(ローマ)の公報のMinor Oil Crops の部分に毎年、Jatrophaについて掲載されている。FAOのいわば公的な考え方が示されています。

    B http://www.fao.org/docrep/X5043F/x5043#0d.htm#Jatropa%20curgas


『Jatropha、マリ・フォークセンター』

 これはアフリカのマリ共和国で、少し地域的になりますがJatrophaの植付けからはじまって、生産、また使用について紹介しています。用途はディーゼル燃料から石鹸まで、実生活で多様に使われていることを紹介しています。集落レベルでの栽培から使用までを知ることができます。

    C http://www.malifolkecenter.org/lowersection/Dep3_NRM/jatropha/mfc_jatropha_intro.html



12/11

『オレオケミカル 11月号』(植物油脂の専門誌)に小生の論文「ビジネス・チャンス Jatropha(ジャトロファ)」
ご覧頂ければ幸いです。

『ビジネス・チャンス、温暖化対策とバイオ燃料』
−途上国と先進国を結びつける新しいビジネス・モデルの提案−

Big Wayは開発輸入方式で、インドネシアで約3万haの土地にジャトロファを植付け、バイオ・ディーゼル燃料として日本に輸入します。この大規模化によって、量、価格、安定した供給を可能とし、金融工学的な資金調達と、途上国と先進国を結び付けるビジネス・モデルを提案します。

1.アクションリサーチ、バイオ燃料(B100)
 
 私は本誌(OLEO CHEMICAL)の読者のように、油脂産業・企業の分野、業界を専門としているのではなく、地域計画・開発、環境管理計画(アセスメント)、それも現在は沖縄の振興計画、沖縄と東南アジアとの経済交流を専門としている。
 また、アクションリサーチと称して、理論と実務を結び付けるコーディネートにチャレンジしている。その一つとして、沖縄の環境、健康問題解決のために、沖縄の環境特性(東南アジアに近く、環境が近似している、気温10度以上、など)を活用してバイオ(100%、すなわちB100のパーム・オイル)燃料の輸入(1.5年間、160トン、5社、30台)の地域社会実験(NPOによる会員制供給)を実施し、普及のためのヒヤリング、データ収集などを行なった。
 
 なお、パーム・オイルは通年使用され、ほとんど何のトラブルも発生せず大変、好評であった。
 しかし初めの頃は大変で「先生、また調子がいいんだから、100%植物(オイル)で車が動く訳ないでしょう」、「エンジンが壊れたら、先生に責任を取ってもらいますよ」等々、散々だった。知っている会社に頼み込み、それも初めのうちは廃車寸前の車に使用してもらった。そして実際に使用した後、次第にパーム(バイオ)燃料の良さが理解されて、使用者(車)が増加していった。
 このようなことから専門外であるが、今回バイオ燃料に取組むことになった。異なった分野の物を読むのも、何らかの参考になるのではないか。「オレオケミカル」の読者の皆様、新参者ですので、よろしくお願いする次第である。

※私は「沖縄だからこそ本土メジャーに勝つ」というビジネス・モデルに取組んでいる。パーム・オイルの流動点は12度前後であり、日本では沖縄のみ通年を通して使用できる。
 また東南アジアは位置的にも近く、輸入にも有利である。なお、それぞれの地域特性、ビジネス資源を生かせば、「沖縄だからこそ」を「それぞれの地域」にと言い換えることが可能である。

<パーム・バイオ燃料、社会実験から学ぶ>

 このようなことで多くの使用申し入れがあったが、データの収集の観点から、いろいろなタイプの車、使い方をしている企業、さらに1社5台に限定させて頂いた。
 パーム・ディーゼル燃料の使用先(5社+α)でのヒヤリングから、いわばその本音をまずは紹介したい。

 @常時、安定した資源(供給先)の確保、保障。
 A軽油価格の変動に対して、それと比較して少しでも安価な価格を希望。
 B流動点が12度前後であるが、沖縄の冬の寒い日でも安心して使用できるように、もう少し低温での使用も可能にして   欲しい。
 ここで少し気になるのは、企業はわれわれが目的としていた環境、健康問題、脱石油の解決、改善を第一目標に掲げていないことである。バイオ燃料の使用を、当該企業のステイタス(環境)の上昇に結び付ける、またCO2の削減と減税と結び付けるなど、企業利益とバイオ燃料の使用との間に、インセンティブが働く工夫が必要だった。この点を反省している。
 またこの社会実験が沖縄で大きな効果があったのは、100%植物のバイオ燃料が使えるという普及効果、PR、新聞などにも取り上げられた。

 つぎにこの社会実験のヒヤリング(使用先、さらに関係機関)、また収集データなどを踏まえて、われわれ側の結果とつぎのステップ(ビジネス化)を示してみたい。

 @輸入バイオ燃料を安定化するために供給(原料)地の確保、そのための支援、地域振興。
 A食糧とバッティングしないバイオ燃料への切り替え。
 B流動点(5度以下)の温度引き下げ。
 Cバイオ燃料の環境問題解決、脱石油の貢献などのPR。
 Dバイオ燃料の国、県、自治体に対する支援、減税、等の働きかけ。沖縄ではまず全国へ先駆けて、これまでの実績を  踏まえて「バイオ特区」による支援を働き掛ける。

<パームからジャトロファ、開発輸入、自前の栽培地の確保>

 前述したステップを踏まえながら、さらに社会実験からビジネスの可能性を探り、つぎのような行動基本方針を決定した。
 @燃料資源の変更。食糧とバッティングし、流動点が12度前後であったパーム・オイルから、非食用で流動点が5度前  後であるジャトロファに変更した。
 A安定した燃料資源の量と価格の安定確保、またビジネス化のため、これまでの海外からの(完全)輸入型を開発輸入  型に変更、すなわち当該地域の地域開発振興などへの協力から、さらには一定量の自前の栽培地の確保である。

※当初、気温の高い沖縄では、ジャトロファ栽培とそのディーゼル燃料化の可能性を検討した。後述するような途上国、例えばインドネシアのパーム・オイルなどを例にして比較したが、ライフ・サイクル・アセスメントでも、沖縄の方が倍近い燃料消費量となる。
 また、面積当りの価格では、日本のサトウキビ(1反当り8トンの収穫高と仮定)の国の買い入れ価格が1トン当り2万円なので、ジャトロファの価格は20〜30分の1となる。したがって、とても「地産・地消」は不可能である。
 そこで、沖縄での生産ではなく、先進国でも地産・地消を可能にする方法、すなわち後進国からの開発輸入を検討した。
 このようなことから、途上国で可能な地域の確保、またパートナー探しをはじめた。さらにビジネス・パフォーマンスを示すためのビジネス・モデルの作成、これを踏まえての資金調達をスタートした。

 このような時、後述するインドネシアBig Way International Indonesia Oil Ltd.と同スラヴェシ島、コラカ郡の農業法人KSU LAKKOとお会いし、その開発機構の主旨に協賛、賛同して、協力させていただくことにした。

2.Big Wayプロジェクトとは

 今、日本をはじめ先進国では、地域温暖化対策の一つとして、バイオ燃料資源として大規模な植物栽培用地を求めている。Big Wayプロジェクトは、開発輸入方式でインドネシア、東南スラヴェシ州、コラカ県で放棄されている約3万haの土地に非食糧のジャトロファを12ヵ村の人々と協同で植付け、それを搾油し、バイオ・ディーゼル燃料として沖縄・日本に輸入しようとするものである。そしてコラカ地域の生活改善(例えば自家発電など)と失業対策(1,000人)に結び付けようというものである。

 すなわち、これまで採算面、市場性から評価されていなかった土地が見直されてきたからである。それは前述した地域温暖化対策の必要性、化石燃料価格の上昇の中で、バイオ燃料(パーム・オイル、ジャトロファなど)の出現によって可能性が出てきた。さらにプロジェクトを大規模化することにとって、金融工学的手法、等が可能となりビジネス・チャンスが出現した。

 さて、Big Wayはつぎのような方針、守るべきこと、スタンスでバイオ燃料の開発輸入を実施することを明らかにする。

<原産地の持続の保障、バイオ燃料の特性>

 地球上のどこかで得られる太陽と水を原料とするバイオ燃料には必ず「原産地」がある。これが石油などの枯渇資源との決定的な違いでる。またその原産地が再生可能であるためには、持続可能でなければならない。バイオ燃料の原産地の熱帯林などの元が破壊されたのでは、それこそ元も子もありません。
 このように「バイオ燃料の利用推進」は、それ自身を自己、目的化するのではなく、原産地を保全することによって、持続可能な循環型社会を可能していくことが最大の特徴である。

<途上国と先進国を結び付けるビジネス・モデル>
 私は単にバイオ燃料の視点からだけでなく、本プロジェクトの特性である。すなわち開発輸入、海外開発を活用し、「先進国の地球温暖化対策(バイオ燃料)」と「途上国の生活改善」を結び付ける新しいビジネス・モデルを提案させて頂きたい。
 この新しいビジネス・モデルは、ジャトロファ油を生産する「原産地」と、自動車燃料を使う「消費者」とを有機的に繋げようとするものである。これは文字通り、大気中の光合成を通して、バイオ燃料によるCO2の吸収と炭素固定、そしてその消費と酸素分解である炭素循環プロセスを通して、有機的に結ぶというものである。これは、現在はまだ市場経済の「外部」におかれている地域、すなわち途上国の森林や農業耕作地を「内部化」、すなわち市場化を可能にしようとするものである。
 そして、地域社会で生き生きとした産業と雇用が生まれ、豊かな人間社会が創造されるような状態が生まれることが必要である。持続可能な地域社会こそが、環境保全の不可欠な構成要素などである。

<ビジネスによる実現化、大規模開発>
 現在、日本では大規模開発とは、あまり歓迎されない時代、言葉である。しかしW.W.ロストーの言うように『経済発展の初段階』で国の状況によっては、「テイクオフ(離陸)」の「先行時期」(大規模開発)がやはり必要なのではなかろうか。今の途上国、その中のある地域がまさにそれではなかろうか。
 日本にも同じ様な時代と状況があり、昭和37年の『全国総合計画』の第一次「拠点開発方式」であって、開発の遅れた地域を離陸・テイクオフするために使われたのは、大規模開発である。
 本プロジェクトによって大量のバイオ燃料の確保が可能になれば、そのスケールとスケール・メリットにより量的な確保、価格を引き下げ、安定供給を可能にし、そのことによって金融工学(証券化など)による資金調達を可能にする。
 さらに現在の途上国の状況では、直接国家による資金調査が困難であり、民間、それも国外に依存せざるを得ない。そこで、金融工学や排出権取引などを利用した、これまでとは異なったビジネス・モデルが必要である。つぎにこれらのことも述べてみたい。

3.提案、要望、疑問

 前述の基本方針を踏まえて、つぎに具体的な提案、要望を示したい。

<地域振興協力による一体化>
 その地域社会に生き生きとした産業と雇用が生まれなければ、環境問題も継続的なジャトロファの供給も不可能である。ジャトロファの開発計画も、その地域社会の発展の目的のために行なわなければならない。
 本地域での具体的な支援活動を箇条書きに示してみた。また、これは沖縄サイドで書いているが、それぞれの地域での特性を生かした支援がある。

 @山間地開発で赤土流出防止など、沖縄の経験を生かした開発をする。既に産地の上部の開発、伐採は避けてもらっ  ている。
 A幼児死亡率の減少。衛生設備、等の改善が必要である。
 Bジャトロファの一部を使って、自家発電を導入し、夜間の電燈、テレビなどを可能にする。
  労働にはもちろんモチベーションが必要である。昔、大分県が一村一品運動で「梅、栗植えてハワイに行こう」があった  が、電気の導入、住環境の整備、若い人の夢、一家に一台のオートバイ購入などを考えている。例えば、将来の住宅  の模型などを作り、具体的プレゼンテーションをするなど。
 C子弟の教育。我々も現地で日本語、日本のことを理解してもらうことが必要である。そこで沖縄大学の(別科)日本語   学科の入学を可能にすることなどを考えている。
  また最近、バイオ燃料ではタイなどがパーム・オイルの輸出禁止に踏み切った。ジャトロファの輸出禁止のカントリー・リ  スクは、インドネシアなどの途上国では可能性があると見て良いであろう。これに関して個別の対策はない。インドネシ  アに国、また対象となる地域と地域振興など、いかにその関係を深めてゆくかということである。それは、本プロジェクト  に取組んだ使命、地域振興、環境保全とも一致する。

<都市地域でも地産・地消を可能にする>

 バイオ燃料に限らず食糧、その生活物質への一つの生活スタイルとして「地産・地消」がある。これは、その地域で生産し、この地域で消費することであるが、しかしそれが可能な人々、地域は限定される。
 そこで、われわれが取組んでいる都市(先進)地域であっても、バイオ燃料の「地産・地消」が可能か、どのようにすればよいのか提言をしたい。
 私達は今、当該地域の持続性と保全に取組んでいるが、これを第三者機関に証明してもらい、これに対して「グリーン・バイオ証明書」のようなものを発行してもらう。このような証明書を発行してもらっているバイオ燃料を購入するのであれば、都市地域でも「地産・地消」を実行、可能にすることが出来る。

 これは特定の燃料(例えば証明書付きバイオ燃料)を生産したと『みなし』たり、また消費したと『みなし』たりするシステムである。バイオ燃料を生産している人が、実際に消費しなくても同様な効果が得られる。すなわち、ある燃料の生産者に対して、維持管理コストを支援し、原産地の保全をするというものである。

<もう一つの証券化、顔の見える関係>

 本プロジェクトの真骨頂の一つは、栽培面積、生産規模を拡大することによって証券化を可能にし、デリバティブ等によってリスクを回避し、資金調達を可能として、プロジェクトの実現化を図ろうとするものである。
 ここでは、現在問題になっているサブプライム・ローンのような、大きな数でリスクを補完し合うという発想の「大数補完」とは異なるもう一つの証券化を提案したい。
 それは、この証券化または出資による資金調達では「顔の見える関係」「(都市での)地産・地消の実現」が具体的に出来る関係を提案したい。この出資した証券を購入すると、自動車にバイオジャトロファ燃料を供給してもらえる。また、バイオジャトロファ燃料の価格を割り引くことにしたい。このことによって原産地と「顔の見える関係」や都市でも「地産・地消」が資本の面でも具体化できる。
 すなわち、ジャトロファ燃料を使用している消費者は、このころで原産地を意識し節約を考え、また逆に生産者は消費者を意識し、生産の意義と連携を持つことが出来る。

<京都議定書、国際的義務に公的支援を>

 このままの状況では、日本が国際的な約束をしている、CO2の排出目標を実現するのは、不可能なのではなかろうか。
 すなわち議定書が2005年2月に発行して、二酸化炭素排出量を2008年から2010年の間に、1990年度の二酸化炭素排出量の年間6%削減することが、わが国の国際的義務となった。しかし、いっこうに二酸化炭素排出量が減少せず、すでに現在(2006年)、90年度比で約14%増加しているのが現状である。

 そこで、2005年4月に閣議決定された京都議定書の目標達成計画では、2010年度において50万k?がバイオマス燃料導入の目標とされた。
 一方、現在バイオ燃料(BDF)の国内生産量はわずか0.2万t/年である。しかしその一方、導入目標は50万?であり、これを達成するには輸入に頼らざるを得ないことは明らかである。それもこの2010年の目標、50万?は目前であり、達成はとても現実不可能といわれている。

 そこで本プロジェクトを検討すると、約3万haの土地でバイオ燃料(ジャトロファ)、植栽構想を試みている。具体的な数値を示すと、3万ha×8t種子/ha×0.35種子/油=8.4万tとなる。この8.4万tを仮にすべて輸入できるとすれば、50万tの目標値の約6%を達成することが可能である。

 本プロジェクトには、このような日本の国際的義務を支援する意味もある。ぜひ日本でも、欧米諸国に見られるように、明確な方向付けがあっても良いのではなかろうか。例えば、本プロジェクトの支援を従来型の海外援助である、高速道路や湾港投資のような公共事業に変わるものとして検討してほしい。また資金的な支援も検討してほしい。

<専門家の人にお願いしたい、ジャトロファとパーム・オイルの基本的な違いは>

 今、バイオ燃料は食糧とバッティングするパーム・オイルから、非食料のジャトロファへと生産効率が低下するにも関わらず、その移動が起きている。パームとジャトロファの本質的な相違は、食糧と非食糧という部分であろうか。

 さて、この動きとは別に、先月(9月9日〜11日)に開催されたWOOC(世界油糧会議)でChandran氏のつぎのような発言をしている。食物が常に優先順位を持っていることが当然視されている「食物対燃料」の単純な議論は危険である。貧しい農民がバイオ・エネルギー作物を売ることによって、より多く稼ぎ、様々な食物を買うのが何故、悪いことなのか。食糧生産が食料品以外の収穫物より、道徳的に優れているというならば、その線を引かなければならない。誰が、そのような主観的判断をし、それらを実施する権限があるのか(著者:現在、市場が判断し実施している。またそれが大きな問題を起こしている)。

 私もパームとジャトロファの基本的相違は、Chandran氏の言うように食物か非植物かではない、私が考える相違点は、農村(集落)社会への影響の構造にあるとみている。
 パームの場合は、その特性で収穫した果実の脂質の分解が早く、24時間以内に蒸気で処理しなければならない。このことから、プランテーション・タイプの農場を大規模に集中的に作らざるを得ないのである。このようにパーム果実は、長距離の輸送に適さず、収穫地、近隣の工場で直ちに熱処理、搾油を行なわなければならない。
 その結果、ある集落がパームの栽培を選択するというより、森林、等を伐採してパームを栽培し、その収穫上の必要なある地点に住民を住まわせるということになる。

 ※パーム搾油工場の規模は原料であるFFB処理能力に換算して、50tFFB/dayのものが通常である。さらにこの搾油工場で搾った粗パーム油(Crude Palm Oil)を集める精製施設は、搾油工場10ヵ所ごとに設置されている。このようにパームプランテーションは、数ヵ所の搾油工場とセット、さらにその上に一ヵ所の製油所というユニットから構成されている。
 一方、ジャトロファはその処理に時間的に制約されないので、このようなことがない。スケール・メリットを求めればプランテーション・タイプ(大規模開発)の農場を作ることも出来る。また一方、集落で自家用のみのエネルギー燃料を求めるのであれば、小規模でジャトロファ栽培をすることも可能である。代替的に大、中、小規模を自由に選択することができる。パームとジャトロファの本質的な相違点を、専門家の方々にお聞きしたい。

<ジャカルタに吉川事務所を置かせていただきました>

 政府関係との交渉や、打合せでジャカルタに事務所が必要になります。Big Wayインドネシアの事務所に吉川研究室の事務所も置かせていただくことになりました。場所は非常に便利なジャカルタの中心部で、ジャラン・タムリン通りに面していまして「Menara BCA Grand Indonesia」です。
 なお、本論文の詳細については、小生のホームページ(http://www.h-yosikawa.com)、特にバイオ燃料の部分をご覧いただければ幸いです。
 また本プロジェクトは複合的、かつ大規模であるので、複数のタイプのビジネス・モデルがあるので、ご興味がある方は、お問い合せ頂きたい(E-mail:yosikawa@h-yosikawa.com)。




12/01

『Coming up Business Chance, Promotion of Jatropha with Biofuel
-a proposal of new business model connecting advanced coutries with developing countries-』


オレオケミカル誌 11月号 に小生の論文が掲載されました。
了解のもとにHPに掲載いたします。
また日本語版もありますが、両者の内容が異なりますので、近日中にこれも掲載させていただきます。』


『ビジネス・チャンス、温暖化対策とバイオ燃料 −途上国と先進国を結び付ける新しいビジネス・モデルの提案-』
『Coming up Business Chance, Promotion of Jatropha with Biofuel
-a proposal of new business model connecting advanced coutries with developing countries-』





10/02,09,11/06,10

『ジャトロファ(Jatropha)、安定供給プロジェクト、インドネシア・スラウェシ島』(U部 理論編)

 −途上国と先進国を結び付ける新しいビジネス・モデル−
※読み直してみたが、やはり自分に都合の良い主張が見られる。御批判を頂きたい(E-mail:yosikawa@h-yosikawa.com)、それに基づいて修正に
努めたいと思っています。

※※追加、書き直しをしていると、いつ終わるか分かりませんので、修正、追加、また重複の削除あり、ということで、今日HP(仮)アップさせて
いただきました。

※※※10/09に図、写真等の追加も含め修正をしました。


                           <目 次>

1.Big Way Project (バイオ燃料、海外開発構想)とは何か
(1) プロジェクトの概要、3者の役割、分担
(2) 構想の背景、そのニードとサプライ
(3) 本プロジェクトの特色、大規模開発
(4) 本プロジェクトの考えられるリスク
−バイオ燃料政策から企業戦略まで−
@ 実現不可か、京都議定書の国際的義務
A 輸出禁止、などのカントリー・リスク
B 証券化、その問題点と課題
2.途上国と先進国を結びつける新しいビジネス・モデル
−吉川研究室の提案−
(1) 新しいビジネス・モデルとは
(2) 環境は、持続可能な地域社会によって保全される
(3) 農村社会を変革する、ジャトロファとパームの基本的な相違
(4) ジャトロファ事業は、大規模から小規模栽培まで選択可能
(5) 都市でも地産・地消を可能にする
3.問題解決の提案
−1.、2.を踏まえての提案ー
(1) バイオマス・ニッポンを可能にする
(2) 地域振興、生活水準向上対策による地域との一体化
   (3) もう一つの証券化、問題解決(顔の見える関係)の提案 


1.Big Way Project (バイオ燃料、海外開発構想)とは何か
(1) プロジェクトの概要、3者の役割、分担
 本プロジェクトを具体的なケースにして日本のバイオ燃料(ディーゼル)海外開発プロジェクトの
提案をさせて頂きたく、まず概要、特色を述べさせて頂きたい。

 今、日本をはじめとする先進国では、地球温暖化対策の一つとして、バイオ燃料資源として、
大規模な植物栽培用地を求めている。本プロジェクトはこれに対応して開発輸入方式で、インド
ネシアのスラウェシ島、東南スラウェシ州、コラカ県(地図参照)で放棄されている約3万haの
土地に非食糧のジャトロファを植付け、それを搾油し、バイオ燃料として沖縄、日本に輸入しよう
とするものである。

 このプロジェクトはインドネシア法人、Big Way International Indonesia Oil Ltd.(以下、Big Way
と略記)と現地の農業法人、KSU LAKKO(以下、Lakkoと略記)の協同事業で、これに日本の
吉川研究室株式会社(研究室と略記)が加わらせていただきます。吉川研究室が加わらせて
いただいた経緯については、HP9/12「1(2)バウラ村と沖縄、そしてわれわれとの関係」を参
照されたい。

Big Wayの代表(CEO)坂本氏。年齢を超えた
、インドネシアとビジネスに対する熱意に尊敬。

Lakkoの主宰者、シラジュディン氏。ジャケットの右側はジャトロファをデザインしたマーク。その意気込みが伝わる。
研究室の吉川。背景は植栽の様子を示しています。手前が大豆、その後ろはジャトロファです(私は別に歯が痛いわけではありません。少し緊張しているだけです)。

<3者の役割・分担>
 Big Wayは本プロジェクトの全体のデザイン、経営戦略、資金調達、調整・コーディネイト、交渉が中心である。
 Lakkoはジャトロファ栽培技術、実施、原産地の確保、原産地村民との調整・交渉、インドネシア政府、コラカ県との交渉が中心である。また、当該地域の失業者(約1,000人)の雇用対策も考えている。

 吉川研究室がプロジェクトに参加した理由は、ジャトロファは食糧とバッティングしない非食物で、バイオ燃料の開発と、それによる地域振興、貧困対策に共鳴したからである。また、本プロジェクトはBDF(バイオ・ディーゼル・フュエル)ではなくSVO(ストレート・ベジタブル・オイル)を採用し、環境問題、そして、これは沖縄の気温特性に有利だからである。*注・1

 さらに次のことを新たに追加させていただきたい。これは今回、インドネシアの現地を見て強く感じた。
 パーム・オイルの原料のアブラヤシ栽培はその果実の特性から、大規模、集約的なプランテーション農業にならざるを得ない。これに対してジャトロファは大規模、集約的、開発も、また小規模のみにも選択が可能である。このことについては2.(3)に述べることにする。
 また吉川研究室はこの他、沖縄で2年間(160t、5社、30台)、パーム・オイルの社会実験を行なった、そして日本でのバイオ燃料の普及、社会実験などについては既にHPにあるので、バイオ燃料を参照されたい。また政策(国等に対する提案)はV部政策論を予定している。

(2) 構想の背景、そのニードとサプライ
 本構想が出現した背景、いわば需要(ニード・サイド)は地球温暖化対策の一つとして、バイオ燃料、すなわち植物(油糧作物)燃料を使用することで、カーボン・ニュートラル(CO2フリーガソリン)を実現しようとしたことにある。とくに京都議定書('97年12月)から、先進国などに対して2008年〜2010年の間に温室効果ガス6種を1990年比で一定数値を消滅することを義務付けている(なお日本は6%の削減には、法的な拘束力がある)。

 これらのことを実現するために先進国は、途上国でのバイオ燃料の調達・輸入さらには開発輸入の需要が高まり、EUを中心に実施されている。これまではバイオ燃料として、植物組織(ディーゼル油に類似)と搾油効率の良いパームを中心に調達されていた。しかしパーム燃料のアブラヤシの栽培地が熱帯林を侵食し、環境破壊が問題となった。一方、ジャトロファはアブラヤシと比較すると搾油効率は落ちるが、荒地や乾燥地でも育成ができることから、農地や森林を破壊することなく可能である
 このジャトロファの使用ニーズに対して、一方で供給(サプライ・サイド)が可能になったインドネシア側の事例を説明しよう。
 1990年代、インドネシアでは、当該地域も含まれる「開発の遅れたインドネシア東部地域をどうやって開発するか」が大きな課題となった。なお「インドネシア東部地域」は1993年にスハルト大統領決定によって定められた新しい概念である。そして本地域はインドネシアの面積の約7割を占める一方で、人口は18%に過ぎない。
 
 そしてここでは、1991〜1997年にJICAも協力し「農業農村開発計画プロジェクト」がモデル地区(東南スラウェシ州クンダリ県の5郡8村)で実施された。農民は上記農村プロジェクトによる耕地化の実例に刺激され、定着農業を始めることの有利性を実感した。これは東南スラウェシ州のように、稲作も畑作も後進であったからだといえる。少しく極端に言うと、サゴヤシ採集農業と伝統的焼畑農業が中心の粗放的農業が続けられていた。言ってみればゼロに近い状況から農業農村開発を始める環境だったのが耕地化にプラスに働いたといえる。
 さらにこの中でも放棄された土地、また森林を伐採した後に、アラン・アラン草(Alang alang)が侵入して、森林も回復しないし、耕作地にも不可能な土地でのジャトロファの活用である。*注・2
(3) 本プロジェクトの特色、大規模開発
 本プロジェクトの特色の一つは、日本ではなかなか実現しない地球温暖化対策(バイオ燃料栽培)を訪れたチャンス(ニードとサプライ)として活用し、大規模プロジェクト(方式)導入によって可能にしようとするもの、と私は理解している。本プロジェクトが実現化し、大量のバイオ燃料の調達が可能になれば精製、輸送などのスケール・メリット、安定供給、そして金融工学(証券化など)による資金調達、バイオ燃料の排出権取引、クリーン開発メカニズムの導入などいずれも大規模開発を前提にして、これらの手法が可能である。 
 また、本プロジェクトはわが国が国際的に義務づけられた、次のようなCO2排出削減に貢献しようとするものである。閣議決定された「2010年までに50万k?のバイオ燃料の導入」の少なくても約6%を本プロジェクトで達成することができる。一つのプロジェクトで、この程度の数量を達成できれば、全数量(50万k?)をクリアーすることも可能である。また国際的にも日本がCO2削減に真剣に取り組んでいることをアピールするには、一つのプロジェクトで10万k?単位の導入を示す必要がある。

 前述したようにインドネシア東部地域のような開発の遅れた地域を離陸・テイクオフ(農業、農村開発)するために、その開発資金を捻出するために大規模開発に頼らざるを得ない。このことは、これまでの世界のテイクオフの歴史、また後述するように昭和37年の『全国総合計画』第一次の「拠点開発方式」を見ても明らかである。

 さらに、今回のように国にあまり開発資金を依存せず、民間独自で調達しようとすると、巨額となり、どうしても大規模開発にならざるを得ない。
 しかし、この大規模事業の持っている問題、課題もまた多い。これらの問題を少しでも解決するのが、小生の役割だと思っている。一例として社会的、また環境問題について、拙著『環境アセスメントの基本手法』目次を参照されたい。

大規模開発計画方式、植付けをする土地(3万ha)です。

 さて現在、日本では大規模開発は、あまり歓迎されない時代である。しかしW.W.ロストーの言うように『経済発展の諸段階』で国の状況によっては、「テイクオフ(離陸)」の「先行時期」がやはり必要なのではなかろうか。今のインドネシアが、まさにそうではなかろうか。

 日本でも同じような時代と状況があり、私的なことにもなるが私のように「鹿島工業開発」に感動して地域開発の途に入った者は、どうしても今回のBig Way Projectが重なる。この鹿島工業開発(『全国総合計画』の中の一つとして1960年に構想、立案)は、これまでまったく価値がなかった鹿島灘に面した広大な土地を掘込港という技術の導入によって港を作り、工業基地建設を可能とした。そしてこの工業化の力を使って、農業(当時、芋しか採れなった土地を米作)も可能にするという「農工両全」「貧困から開放」(当時・岩上知事方式)を目指したものであった。

 そしてこれを実現するためには、どうしても一定の規模が必要であったし、そしてこの結果、日本の産業のテイクオフに貢献した。これについては「大規模開発プロジェクトとは何か −柔構造社会システムの手段として−」「沖縄新規模開発プロジェクト論」を参照されたい。

(4) 本プロジェクトの考えられるリスク
−バイオ燃料政策から企業戦略まで−
 ここに述べたBig Way Prolectの構想は、他者からみると、都合のよい一方的な主張とも思われる。
そこで私が考える、本プロジェクトのリスクを明らかにしておこう。
@ 実現不可能か、京都議定書の国際的義務
 このままの状況では、日本が国際的な約束をしている、CO2の排出削減目標を実現するにはリスクがあり、不可能なのではなかろうか。
 すなわち議定書が2005年2月に発効して、二酸化炭素排出量を2008年から2010年の間に、1990年度の二酸化炭素排出量の年間6%削減することが、わが国の国際的義務となった。しかし、いっこうに二酸化炭素排出量は減少せず、すでに現在(2006年)、90年度比で約14%増加しているのが現状である。

 そこで、2005年4月に閣議決定された京都議定書の目標達成計画では、2010年度において50万k?がバイオマス燃料導入の目標とされた。さらに環境省エコ燃料利用促進会議は、2020年に200万k?、2030年に400万k?(後に600万k?に修正)の導入目標が示された。
 一方、現在バイオ燃料(BDF)の国内生産量はわずか0.2万t/年である。しかしその一方、導入目標は50万k?であり、これを達成するには輸入に頼らざるを得ないことは明らかである(詳細はHP7/10「沖縄がバイオ燃料を輸入する理由」を参照)。それもこの2010年の目標、50万k?は目前であり、達成はとても現実不可能ではなかろうか。

 さらに、欧州ではドイツをはじめとして、東南アジアで生産されているパーム油をはじめジャトロファの買付けが、かなり以前から組織的(国際的)、大規模に行なわれていることから、日本ではさらなるあきらめムードが大きい。日本は国際的な約束を果たせないという、大きなリスクを抱えることになる。
A 輸出禁止などのカントリー・リスク
 海外プロジェクトの展開に伴って、ここでの対象国、すなわちインドネシアでの政治、経済、社会、環境の変化によるカントリー・リスクがある。これはデリバティブなどによって回避することは難しい。
 最近、バイオ燃料ではタイなどがパーム・オイルの輸出禁止に踏み切った。ジャトロファの輸出禁止のカントリー・リスクは、インドネシアなどの途上国では可能性があるとみてよいであろう。
 これに関して個別の対策はない。インドネシアの国、また対象となる地域と地域振興など、いかにその関係を深めてゆくかということである。それは本プロジェクトに研究室が取り組んだ使命、地域振興、環境保全とも一致する。

 またメガワティ政権下、2001年に「地方分権化関連法」が施行され、地方自治の拡大、民主化で、今までと異なり「権力の分散」が進んでいる。このような中で地域と一体化してプロジェクトを進める、例えば生活水準向上対策等とジャトロファ栽培を結びつけることによって、ジャトロファの永続的供給を可能にしようとするものである。*注・3
B 証券化、その問題点と課題
 本プロジェクトの、そのポイントは、栽培面積、生産規模を拡大することによって証券化を可能にし、デリバティブ等によってリスクを回避し、資金調達を可能として、プロジェクトの実現化を図ろうとするものである。
 しかし農業のように天候などから影響を受けやすいプロジェクトに対して、キャッシュフローを証券化する例は日本にはあまりない。東京スター銀行('05年8月)が4億円の証券化を行なっているが、これは農業分野においては初のケースである。しかしこれは工場栽培農業であって、比較的、天候などの影響は受けない。

 またこの農業証券を保証する格付け会社(例えばムーディーズ)がない。そこで天候デリバティブ(野村證券が開発)などを組合わせたリスク・ヘッジができる新しいタイプの証券化を提案したいと思っている。また村全体の経済効果がある程度のスピードでゆきわたるには、このような大規模開発が必要かもしれない。

 また現在問題になっているサブプライム・ローンのような、大きな数でリスクを補完し合うという発想の「大数補完」とはまったく逆の提案(顔の見える関係)を後述する3.(3)にしたい。
 また証券化などの基礎になる本プロジェクトの現在価値を試みたDCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)については後日、予定しているV部で示すことにしよう。ここでは諸デリバティブを組合わせ、最もリスクを大きくし20%のディスカウント・レイトを示してみた。このことによって本プロジェクトの現在価値、また証券化するための規模を知ってもらいたい。

2.途上国と先進国を結びつける新しいビジネス・モデル
 −吉川研究室の提案−
(1) 新しいビジネス・モデルとは
 これまでは採算面、市場性から評価されていなかった土地が見直されてきた。それは地球温暖化対策の必要性、また化石燃料の価格の上昇の中で、バイオ燃料(ジャトロファ)の出現によって可能性がでてきた。さらにこれを大規模化させることによって、証券化などの企業的な現代的な金融工学手法を使って、その現実化をさせようとするものである。

 しかし私はこれまでの体験を踏まえて、つぎのような提案をしたい。
 それは主宰Big Way(前述) とは少し異なるかもしれないが、私はビジネスの視点からだけでなく「先進国の地球温暖化対策(バイオ燃料)と途上国の生活水準向上問題解決を結び付ける新しいビジネス・モデル」を提案させて頂きたい。また一方で、その問題点も理解しているつもりである*注・4

 この新しいビジネス・モデルは、ジャトロファ油を生産する「原産地」と自動車燃料を使う「消費者」とを有機的に繋げようとするものである。これは文字通り、大気中の光合成を通して、CO2の吸収とバイオ燃料による炭素固定、そしてその消費と酸素分解である炭素循環プロセスを通して、有機的に結ぶというものである。これは現在はまだ市場経済の外部に置かれている地域、すなわち、途上国の森林や農耕地の環境保全・再生、社会開発を当該プロジェクトを導入することによって、これらの環境価値や社会的価格を内部化、すなわち市場化を可能にしようとするものである。 
 以下に、その具体的な方法を述べてみたい。               
(2) 環境は、持続可能な地域社会によって保全される

 私がT部で、写真でも紹介したように、1m弱の野生の水牛、アノアを見て、スラウェシ島を「魔法にかけられた島」と命名しましたが、このように私にとってはとても思い入れのある動物ですが、それが食べられて頭がつるされている写真があります(当地の環境保護団体LKPのHPの写真)。とてもショッキングなので直接、掲載することが出来ませんでした。
 アノアは確かに国際的には貴重種で保護すべき対象であるかもしれませんが、地元では貴重なタンパク源で食糧の対象なのです。もしアノアを永続的に保全しようとするのであるなら、アノアを食べなくてもその地域の人々が生活できるようにしなければなりません。環境は、持続的可能な地域社会によってはじめて保全がされるのです。
 当該地域の環境問題の解決、保護は単に森林に手を付けずに保全したり、アノアのような貴重動物を柵で囲ったりするのではありません。地域社会で生き生きとした産業と雇用が生まれ、豊かな人間社会が創造されるような状態が生まれることが必要である。持続可能な地域社会こそが、環境保全の不可欠な構成要素なのである。そのためには吉川研究室がこれまで取り組んできた地域振興計画、生活水準向上対策、さらには環境保全を総合化して、本プロジェクトに取り組むことが必要です。
 以前、国の環境評価(アセスメント)専門委員をしているとき、沖縄・西表島で東と西の集落を結びつける横断道路建設をめぐる問題がありました。これは前述したアノアの時と同じで「イリオモテヤマネコの保護か、住民の生活環境か」です。両者が両立する案、横断道路建設を中断して、高速フェリーの運航と西側に医療施設を作るということで解決しました(「環境アセスメントの基礎手法」)

その地域に行くのが大変です。トラックのタイヤにはチェーンも必要です。トラックもところどころ通れなくなり、押したりです。これも楽しみです。

途中迄、迎えに来てくれた住民の皆さんと記念写真を撮っている所です。 幾度も話し合いをしました。

(3) 農村社会を変革する、ジャトロファとパームの違い
 プロジェクト対象地域であるインドネシア・スラウェシ島、コラカ地区を見て、これまでインドネシアで講義し、コーディネイトしてきた地域振興促進(Regional Promotion Theory and Practice)を実施してきた地域とは、大分、異なる。
 当該地域はインドネシア自身が貧困地域と指定し、失業、出稼ぎが多く、これらの地域の生活水準向上を中心にした変革を呼びかけている。現に対象地域の11ヵ村から現在、失業している1,000人の雇用と、さらに出稼ぎに出ている1,000人の雇用を依頼されている。

 そのためには当該地域に新たな換金作物などを導入するなど、生活変革を起こすことが必要なのではないか。このような時にバイオ燃料資源開発は、いわば先進地域のニードと生活水準向上が必要な地域のサプライとを結びつける、換金作物として検討、今、現実的な一つの方法ではないかと思われる。
 そして当初はパーム・オイルが採用されたが、幾つかの問題があり、今、ジャトロファが選択されつつある。
 この両者の基本的な相違点は、ジャトロファはパーム・オイルのように食糧とバッティングしないという点ではなく、下記のような農村(集落)社会への影響にあると私は考えている。(2.(1)参照)

<ジャトロファとパーム、基本的な相違点>
 私はこの両者の持っている相違は、農村(集落)社会への影響の構造にあるとみている。パームの場合は、その特性で収穫した果実の脂質の分解が早く、24時間以内に蒸気で処理しなければならないことから、プランテーション・タイプの農場を大規模に集中的に作らざるを得ないのである*注・5
 その結果、ある集落がパームの栽培を選択するというより、森林、等を伐採してパームを栽培し、その収穫上の必要なある地点に住民を住まわせるということになる。

 一方、ジャトロファは収穫後すぐに上記で熱処理する必要がないので、スケール・メリットを求めればプランテーション・タイプ(大規模開発)の農場を作ることも出来るが、一方、集落で自家用のみのエネルギー燃料を求めるのであれば、小規模でジャトロファ栽培をすることも可能である。代替的に両者を自由に選択することができる。パームとジャトロファの社会に対する本質的な相違は、このような社会(集落)構造に対する影響なのではなかろうか。

 以下、今回のインドネシアでの調査を踏まえて実感したことを述べてみたい。
 このジャトロファ油の一部を自分達の自家発電(以下のものであれば精製の必要がなく、そのまま使用できる)、村の物資運搬のトラックの燃料に使用できる。
 一方、電気を引けない農村では、自家発電用の軽油購入のための元金が必要となる。一例を挙げてみよう。村で恵まれている家の例で、1日2?(夜だけの使用)を使う。一ヵ月のこの燃料代が4,200円(1?70円×2?×30日)と、現金収入のあまりない農家にとっては大変な負担で、ほとんどの家では使うことができない。これによって全農家が使用できるようになれば、大きな変革が起こると思う。
 また、農村で輸送のためのトラックの燃料も大きな負担となっている。電気が通り輸送ができれば、われわれが協力できるいろいろな可能性が拡がる。
 さらに、ジャトロファの油を搾った残りを燃料として使うことができる。これは今まで薪炭を使っていた代わりになるので、森林が伐採されなくなり、環境問題もかなり改善される。
  
ジャトロファが成長するには約1年かかります、食いつなぐために
まず大豆を植えます。

大豆の植付けの状態です。
  
集落には電気は通っていません。
こんな古い自家発電機も使っています。
(4) ジャトロファ事業は、大規模から小規模栽培まで選択可能
〜一方、パーム栽培はプランテーション型大規模開発〜
@ジャトロファ開発に伴う環境容量(植生を指標)

 ジャトロファの栽培事業の持つ特色は、パーム栽培事業がプランテーション型の大規模開発に対して、大・中・小と選択できることを述べた。これに対して友人達から、集落での具体的な土地利用のパターンを示さないと、なかなか理解できないし、イメージができないと言われた。吉川研究室の特色の一つは、環境計画である。そこでこのジャトロファ栽培を中心にした、土地利用計画を具体的に示してみることにする。
 まず両者が異なる大きな理由は、両者の果実の脂質の分解酵素(搾油条件)の違いであることはU部理論編※5.で述べてあるのでこれについては省略する。
 質問に答えるには、ジャトロファ栽培の選択が地域、土地で具体的に可能か、フィージビリティーを示すことであろう。本農地の改善事業は、主としてLakkoの専門家のSiraduddin氏が対応することになっているが、取りあえず、質問に対して私の見解、アイディアを述べてみたい。

 私のこれまでの調査、研究の中で、この課題に応用できそうなものは次の二つである。具体的な対象地域の一つ、ティノンド村(1と略記)は山間部でのジャトロファの栽培である。もう一つがラロラエ郡の11ヵ村(2と略記)で、放置されている耕作地の平坦な地域でのジャトロファ栽培である。
 1は山間地で現在の植生がそれぞれの環境に多様に対応しているので、これを手掛かりにジャトロファ栽培計画の代替案を示してみたいと思う。
 これへの対応は、私は植生図による土地利用計画の沖縄の亜熱帯での研究があるので、これを応用してみたい。
 
 これに対して2は耕作放棄地であって、ほぼ均一の土地、また耕作地であったので植生はそれほど変化がなく、植生分析からでは手掛かりが難しい。この耕作地が平坦でかつ広域的であるので、むしろ雨季の排水が問題となるので、それには水系への対応(変化、インパクトを与えない)することが重要となる。これへの応用は、インドネシア、ジャッカルタ近郊のチェン・カレン地域が当該地域の特性と類似している。以前、私がチェン・カレン地域で水系を重視した開発(住宅)計画をしたので、この経験(失敗を含めて)を活用してみたい。

 またこのジャトロファは、通常の農作物が栽培できない乾燥地や荒地でも耕作が可能ということが評価されている。しかし、ジャトロファは何も好んでこれらの土地に特に適しているわけではない。水と肥料を供給すれば、土地生産量(性)、また種子の搾油量も増加する。詳細なデータについては、別にするが搾油量にしても、水と肥料を充分供給したものは45%(Max)、また一方、荒地では20%ぐらいである。これは栽培した体験であるが、これでもかなり差がでることがわかる。
 集落全体で優良農地に本格的にジャトロファを栽培すれば、かなりの収入があり集落と個人の両者が、かなりの生活改善が可能ではないか。
 また一方で、優良農地は他の作物に使い、他の作物にはあまり適さない土地にジャトロファを植えるという方法もある。そこで得られた油で、個人の自家用の発電機や集落のトラックなどの燃料に使い、生活改善に使用するという方法もある。
A山間地でのジャトロファ土地利用

 さて、これらのことを踏まえて環境容量を考慮した、土地利用の具体的な幾つかのタイプのイメージを示してみたい。
 まず対象地域の地形分類図を示してみたい。

           
                       図−0 地形分類図、地形断面図

     
                           図−1 現存植生図     

      出典;「沖縄県土地利用基本計画」付属資料政策科学研究所



 対象の具体例にする小浜島は、北緯24度20分、東経123度40分に位置し、面積8.27ku、周囲14.5kuの亜熱帯雨林に属し、植生は熱帯の最北端のケナガエサカキ−スタジイ群落である。島のほとんどが代償植生である。人為的なプレッシャーを受けている。また、自然植生の残存しているのは、急斜面や砂浜が中心である、石灰岩植生のアコウ−ガジュマル群落、海岸林のハスノハギリ群落、入江、河口のマングローブなどがある(詳細は省略)。

 図−1に示した植生図はいわゆる現存植生図で、現在ある植物を植物社会学的に、類型化した群落の配置図である。この現存の植物図に図−2の植物遷移による復元を考慮することによって、ここで対象にしているジャトロファの生育できる土地の特性を推定、理解することが可能である。

    
                                図−2  植物群落の位置づけの例
    
    出典;「沖縄県土地利用基本計画」付属資料政策科学研究所

 この小浜島の植生図を見てもわかるように、ほとんどの土地は人為的なプレッシャーを受けているので、本来の土地の特性を見ようとするときは、これらの人為的なプレッシャーが加わる前の植生(急斜面やウタキなどに残存している自然植生で推定)が何であったかを調べる必要がある。そのためには、生態学における遷移(サクセッション)という概念を利用して、その復元を試みることが必要である。
 小浜島における人為的プレッシャーが強い植生、いわゆる代償植生といわれるものから、自然植生へのサクセッションを示したのが前掲の図−2「植物群落の位置づけの例」である。
 これに従って、代償植生を自然植生へ還元したのが、潜在植生図と言われるものであって、これによってその土地の持っているポテンシャリティーを検討することが可能となる。しかし現実には潜在植生図を復元作成することは困難なので、図−1「現在植生図」を図−2「植物群落の位置づけの例」によって潜在植生図をいわば復元して、それに基づいて自然度を評価をしたのが、表−1の左端の自然度である。なお、5が上位で以下は順次、評価が下がる。
   

          表−1 植生群落による土地利用評価
         適正分野
群落名
自然度 保全地域
(水資、多様性、風衝)
農耕適地 ジャトロファ適地
アコウ−ガジュマル
ハスノハギリ
アダン
アダン−オオハマボウ
ソテツ
マングローブ
海岸砂丘上植物
畑地雑草
水田雑草
チガヤ
ススキ
リュウキュウチク
ギンネム
リュウキュウマツ
ソウシジュ
フクギ
モクマオウ
出典;「環境工学の体系化」吉川博也、1976年(その後、加筆したものです)


 さて、つぎに私のスタンスであるが自然度(環境容量)から見た保全地域、農耕適地、ジャトロファ適地の評価を述べてみたい。自然度は、図−2、表−1とから、いわば客観的に評価したものである。
 環境保全地域は、表−1の順位の高い自然度の水資源域や群落の面積を加味して決定した。これを図に示したのが図−3_1である。しかしこの保全地域はまったく人間が手を加えないということではない。農耕地(ジャトロファも含め)としてはアクティブ的には利用しないが、薪炭林としたり、レクリエーション地域としては利用可能である。

 つぎに農耕適地は肥沃な、水も豊富、耕作もし易い土地を評価した。
 また、ジャトロファ適地とは、ジャトロファは前述したように乾燥地、荒れ地などにも可能であるということから、農耕適地とは逆、すなわち農耕地にあまり適さない土地を評価をし、それに耕作のし易さはプラスに評価した。
 これらを考慮して、ジャトロファを中心にした農耕地域を具体的に、それぞれの適地を図面<ジャトロファ農業振興地域として>で示してみた。


<ジャトロファをテーマにした農業振興地域>
図−3_1 環境・水資源、多様性保全地域 図−3_2 ジャトロファを自家用として地域
農耕地はできるだけ残し、ジャトロファ適地の評価の高いものを利用する。
図−3_3 ジャトロファ・他作混合地域 図−3_4 ジャトロファ主要地域
農耕地とジャトロファのバランスを取って、両者が混合できるものとした。この混合地域はそれぞれ地域の選択で対応可能であるので、一例を示した。 ジャトロファ主要地域として、ジャトロファ(逆に言えば保全地域除いたを)が可能な農業地を示した。

さらに、前述した環境保全、農業振興などを含めて、総合的に示したのが図−4の「土地利用基本計画」である。

       
                        図−4  土地利用基本計画
      
        出典;「沖縄県土地利用基本計画」付属資料政策科学研究所

B平坦な耕作放棄地でのジャトロファ土地利用
 比較的フラットな土地のジャトロファという単体作物の利用になるので、特に多様性の確保、保全に留意する必要がある。特に2の対象地域の特性、課題が雨季で、湿原化するような土地では水系保全に留意する必要がある。また一方で開発する側の特性が、大規模開発である場合を考慮して箇条書きで示してみた。
 
 1)生態系秩序を理解し、生態系とのバランスの取れた土地利用を考えるべきである。
 2)熱帯地域においては、画一的で大規模な土地利用は不適当である。
  ・ジャトロファのみ単一の土地利用だけでなく、できるだけ複合的な利用に努める。
 3)現存している水田、養魚場など、湿地帯の保全はもとより、さらに増加に努める。
  ・フラットな土地なので、現在ある湿地をできるだけ残し、また水系を保全するようにしたい。
 4)当該地域はその大部分は、なだらかな傾斜、平地であるので、できるだけ残存林は残し、さらにその増加 に努める。
 5)土地環境情勢は、総合的・広域的に活用する必要がある。

 この大規模開発の留意点(箇条書き)を踏まえて、対象地域で水位調整上、重要な保全地域、また多様性・畑地保全そしてジャトロファ振興地域など分かりやすく具体的に示してみたのが後述の写−1である。(※)

 まず前述した地域の地形図と地質図を図−5_1、2で示した。つぎに自然環境を踏まえて土地利用のクロスセクションを図−6に示した。さてこの図−5_1、2、図−6に似類させて対象地域の水位(洪水も含め)調整、水源保全、また多様性、畑地などの保全、そしてジャトロファ振興地域の写真を写−1に示して、皆さんに概要をご理解しやすいようにしました。
 つぎに英文で申し訳ないが、これらを総合化して表−2「自然環境タイプ」(以前のジャカルタのCengkareng地域で提案した)を参考にしてもらうためTypeT〜Wを示した。またこの土地での具体的な展開を図−7に示した。

(※)営農、土地利用のプレッシャーが加わるが、この土地でジャトロファ栽培を展開していくのに対して、何を留意しなければならないか。また、多様性を確保するためにジャトロファ以外の農作物の保全や、農作物の集積地、搾油地などのため雨季でも水を避け(防水のため)、排水しなければならない場合、全体の水系に影響を与えない場所はどこか。対象地域に一定の単位でGreen axis (次回、提示)のようなものを設定して、排水などを考えたい。
 今回はその計画をした図のみを示しており、詳細は現在、いろいろ計画しているところである。

        
                     図−5_1  地形図(Topography)
                           
         出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980


        
                    図−5_2  地質図(Geographical Map)
     
       出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980

     
                   図−6 土地利用のクロスセクション

      出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980


写−1

         水位調整
         水源保全
      保全、多様性
      保全、畑地
  ジャトロファ振興対象地域
水田 バナナ畑 熱帯サバンナ平地
養魚場 雑木林 平地
現在はない
新たに溜池をつくる ヤシ畑 アラン・アラン原野


                          表−2 自然環境タイプ
        

       出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980


            
                         図−7 Cengkareng地域の土地利用計画
        
           出典;「The Synthesis of Ecological Planning and its application」,吉川博也,1980

Cジャトロファ栽培自身の多様化
     単一のジャトロファ栽培では、農家自身もさらに多様化する必要がある。シラジュディン氏が提案し、現在一部で実施している、その例を紹介したい。
 図−8のように中心部にトウゴマを植え、その両端(4両)にジャトロファを植える。そしてさらにその間にピーナツを植えるというものである。このようにピーナツを間に植えることによって、植生が多様化する。
 それと同時にジャトロファが生長し、油が充分に搾れるようになるのに1年1.5年も掛かるが、それ以前にピーナツは収穫することができる。
 同様にトウゴマによって多様化を促進すると同時に、ジャトロファは矮化をして収穫しやすくしている。トウゴマ(5〜6米になる)がジャトロファを暴風から防ぐ役割もしている。
 また、われわれの実験結果では、トウゴマの油を使用するとエンジンのスタート・ダッシュが良くなるので、ジャトロファとトウゴマの両者をミックスして、供給することも検討している。(※、※※)
 ピーナツではなく大豆を植えた実験もしているが、とてもよい結果である。


写−2 大豆の実験結果 大変良好である
図−7 シラジュディン(Siradjuddin)氏の提案

※トウゴマは日本(温暖地域)では、1年生であるがインドネシアでは多年生である。
※※ヨナ書にある「神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、トウゴマを備えて、ヨナの頭の上に日陰を設けた。」(Jonah, The Old Testament)とある、あのトウゴマで、植物の日陰にもなる。

(5) 都市でも地産・地消を可能にする
 今、われわれが取り組んでいるバイオ燃料も「地産・地消」を文字通り実現するのは困難です。
 しかし、つぎのように考えることができないだろうか。
 これは特定の燃料(本プロジェクトの燃料)を生産したと『みなし』たり、また消費したと『みなし』たりするシステムである。これはバイオ燃料を消費したい人が、実際に消費しなくても同様な効果が得られる。
 
 すなわち、ある燃料の生産者に対して、維持管理コストを支援したり、さらには投資することを可能にするというものである。私達は当該地域の持続性と保全のための活動をしている。すなわち「都市地域でも地産・地消を可能」にするわけだが、これを第三者機関(インドネシアですでにコンタクトしている)に証明してもらいます。これに対して、例えば「グリーン・バイオ証明書」のようなものを、この第三者機関に発行してもらいます。このような証明書が発行されたバイオ燃料を購入するのであれば、都市地域でも「地産・地消」を実行、可能にするわけです。
第三者機関による証明は可能か。
NGOの代表(Coordinator of JICA−NGO Desk Indonesia:MULYONO LODJI さん)との話合い。

3.問題解決のための提案
(1) バイオマス・ニッポンを可能にする
 −1(Big way案)、2(吉川研究室案)を踏まえての提案ー
 1.(3)に前述したように、閣議決定された「2010年までに50万k?のバイオ燃料の導入」の達成は困難であると
言われている。国際的な排出目標を約束した以上、それを実現することが義務である。そして、2006年3月に
「バイオマス・ニッポン総合戦略」の見直しが行なわれた。そこで、国内だけでなく、アジア等の海外と連携する
バイオ燃料の輸入方式、すなわち完全輸入型、開発輸入型が提案されている。

 そこで本プロジェクトもこのような提案を受けて大規模開発、約3万haの土地でバイオ燃料(ジャトロファ)、植
栽構想を試みている。具体的な数値を示すと、3万ha×8t種子/ha×0.35種子/油=8.4万tとなる。この8.4万
tを仮にすべて輸入できるとすれば、50万tの目標値の約6%を達成することが可能である。日本が関わっている
同様な規模では、つぎの2つである。南アフリカ共和国で三井物産と現地、及び欧米有力企業が共同で、農地
1万5千haで、年間10万tのBDFの生産を計画している。また、タンザニアで三菱商事と現地公社、企業が
年間3万8千tのBDFの生産計画(但し栽培面積は計画中)がある。

 さて、2002年度にまとめられた「バイオテクノロジー国家戦略」を見ると少し気になるのは、2010年までに、環
境・エネルギー産業の市場規模を4兆2千億円に引き上げる計画が立てられている。しかしこのように国が企
業や市場、地域経済活性化だけのみということが主体とされる実態が伺える。
 欧米諸国に見られるように、日本でも直接的な支援でないにしても明確な方向付けがあっても良いのではな
かろうか。従来型の海外援助である公共事業方である。高速道路や湾港投資に変わるものとして検討してほ
しい。

 今のところ、規模としてはこの3プロジェクト以外、具体的な提案がない。しかしこれらのプロジェクトからバイ
オ燃料を日本に持ち込むことができれば、バイオマス・ニッポン総合戦略もその現実化が視野にも入ってくる。

 日本の国の外交、対外戦略とは別の「もう一つの外交、対外戦略」があってもよいのではないか。それはつぎ
の(2)、(3)に示すように各地域・県には国家外交を越えた、それぞれに適した多様な外交(戦略)があり、そ
れは何よりも相互に「顔が見える」ものである。またこれは国の外交、対外戦略のリスク・ヘッジ、補完するもの
、民間外交となる。
 さて私は本プロジェクトの提案は、日本の外交政策上の「エネルギー政策」と「農業政策」をリンクさせ両問題
の解決として位置づけられる。積極的な区に亜kらの支援があってもよいと思っている(これについては『6/19
、私が日頃、考えていること、思っていることを言わせて下さい』
を参照されたい)。
 本プロジェクトに対する協力のお願いを提案をしてみたい。
(2) 地域振興、生活水準向上対策による地域との一体化
 これに関して本HP 7/13<私たちは環境保全と地域振興に取り組みます>、にすでにありますので、ご覧
ください。
 つぎにこの取組み、すなわちジャトロファ・プロジェクトの沖縄、またスラウェシ側の活動とそれに必要なネット
ワークについて図で示すことにする。
迎えに出てくれた地元民。 女性も積極的に話合いに加わる。
(3) もう一つの証券化 問題解決の提案
 私はこの証券化または出資による資金調達では「顔の見える関係」「(都市での)地産・地消の実現」が具体
的に出来る関係を提案したい。
 一般的に証券化は多数の債権を一括して証券化する方法で、大数の法則によるリスク・マネジメントを行なう
というものです。これによって当該証券化商品(例えば低所得者向け住宅商品)の格付けを向上させることが
可能となる。しかし、これが(ある意味で)今回のサブプライム問題を引き起こしたのです。

 私はこの証券を購入していただくのは、実際、自動車にバイオジャトロファ燃料を使ってもらっている人や、こ
れを示すとバイオジャトロファ燃料の価格を割り引くことにしたいと思っている。
 このことによって原産地と「顔の見える関係」や都市でも「地産・地消」が資本の面でも具体化していきます。
私はこの『顔の見える関係』が重要で沖縄・与那国では、100qの台湾・花連との交易(開港)を試み成功した
「辺境の逆転−日本最西南・与那国開港」。 
 すなわちジャトロファ燃料を使っている消費者は、このことで原産地を意識し節約を考え、また生産者は消費
者を意識し、生産の意義と連携を持つことが出来る。

 さらにナットソース社(温室効果ガス排出量取引のパイオニア)の予測によれば、排出量取引市場は将来、
2000億ドル/年(26兆円)になるといわれている。このうちアジアでの売買高は7兆〜8兆円で、その中で日本
は1兆円と見込まれている。
 これは「排出権取引」や「炭素クレジット」というクレジット(証書)という金融商品をツールとして、「原産地」で
ある森林や農地の価値を維持・保全することに担保するものである。これを「クリーン開発メカニズム(CDM)」
として開発し、「共同実施(JI)」に使う。そして、前述したような国際的な排出目標を達成するために、「京都メ
カニズム」としてこれらの手法は公的にも認められた。
 さらに第三者機関の認定に基づくクレジット証書が発行される必要がある。クレジットという金融をツールとし
て「原産地」である森林農地の価値を維持・保全することを担保にする。
 具体的にはジャトロファの油を搾った残りを農地にかえして、肥料にすることも多い。これであると有機化する
がメタンガスが発生する。前述したように燃料として使ったり、このこのメタンガスの燃料として使えばメタンガ
スによるCO2カウントは20倍となる。これの排出量(権)の取引を考えている。

<皆様へ、私も頑張ります>
 21世紀、われわれの目標の一つは、20世紀の化石燃料の時代から早く脱却して、各地域に適した自立型の畑から
燃料が取れる(植物油)グリーン・オイルの開発です。
 皆様と一緒に、私も頑張っていきます。
 本プロジェクトは複合的かつ大規模であるので、このHPで示されているように、複数のタイプのビジネス・モデルが、
提案、運用されています。皆さんが、ご希望するモデルもあると思いますが、ぜひいろいろな形でご参加いただければと
思います。
        私はこれからもみんなと議論し、また喉がかわいたらヤシの実のジュースを飲んで、頑張ります。皆様もご協力ください。

*注・1
 ジャトロファ・オイルは通常、5℃以下では固まる性質があり、そのため、燃料化にはBDF方式(軽油の代替品)を採用している。
しかしこのBDFは化学薬品や汚水などの排水の問題がある。Big Wayは、この問題を解決するため植物燃料100%で動くディーゼル
燃料(SVO、ストレート・ベジタブル・オイル)の開発に取り組み成功した。それは高速遠心分離とディーゼル車載キットの採用である。
しかし沖縄は5℃以下になることはないため、ディーゼル車載キットの必要はなく、本土と比較してコスト的に有利である。私が提案して
いる
「沖縄だからこそ本土メジャーに勝つ」を実現化する一つのチャンスである。

*注・2 
 松井和久「スラべシだより」日本貿易振興会アジア経済研究所」、2002年、第4章「地方分権化と地方の自治」を中心にまとめた。
 アラン・アラン草の状態は中尾佐助のいうシーア・クライマックス(Sere Climax)で、植物の遷移系列の途中段階で半永久的にストップ
してしまっている。


*注・3 
インドネシアの「権力の分散」を民主主義、地方自治の拡大と同一化することに異なった見方もある。私も含めてインドネシアの多くの
人達は、今の危機の原因はスハルト長期独裁(例えばファミリー・ビジネスが跋扈し、正規国軍以外の陸軍特殊部隊の存在など)の
『権力の集中』にあっと思っています。従って、このメガワティ政権下、2001年の「地方分権化関連法」の施行は、地方自治の拡大、
民主化で「権力の分散に寄与している」と考える。
 しかし白石隆氏は国家が壮大なたかりの機構となっているところでは、民主主義はたちまち利権と利益誘導の政治となってしまう。
そして今のインドネシアで危機にあるのは国民国家、どれ自体であると指摘している。
 白石隆「海の帝国」165〜166ページ、中公新書、2000年9月を参照。

*注・4
 「アフリカやアジアでは、先進国の企業が主食の作物の畑を、バイオ燃料の原料となる植物・ジャトロファのプランテーションへと
変えている。ジャトロファは毒性であるため食べられない。これはまるで先進国が途上国に、換金作物を生産させることで貧困を
引き起こしたかつての「緑の革命」の再来だ。(新垣誠・沖縄タイムス、’08年7月16日、21面)またインドでジャトロファ研究の
第一人者であるプシュピート・ゴーシュ博士が「植物を作る農地を潰して栽培すれば、トウモロコシと同様、食糧生産を圧迫する。」
(読売新聞・'08年7月2日)と言われている問題点なども理解しているつもりである。このことについては、一度、別に述べさせて
いただくつもりである。


*注・5
 パーム果実(Fresh Fruit Bunch,FFBと略記)は脂質分解酵素を含むので、FFB収穫後は時間とともに急速に脂質の分解が進み、
遊離脂肪酸が増加する。これを防止するために、収穫後24時間以内にFFBを蒸気で熱処理して酵素の活動をなくす必要がある。
 すなわちパーム果実は長距離の輸送に適さず、収穫地、近隣の工場で直ちに熱処理、搾油を行なわなければならない。
このようにプランテーション内のパーム果実輸送距離(時間)を最小にすべく、搾油工場は地域内に比較的均等に設置される。
 また、パーム搾油工場の規模は原料であるFFB処理能力に換算して、50tFFB/dayのものが通常である。さらにこの搾油工場で
搾った粗パーム油(Crude Palm Oil)を集める精製施設は、搾油工場10ヵ所ごとに設置されている。
 このようにパームプランテーションは、数ヵ所の搾油工場とセット、さらにその上に一ヵ所の製油所というユニットから構成
されている。
 ちなみにパーム農園の規模の一例を参考として示してみた。
 インドネシア・リアウ(Riau州)のPT.Perkebunan Nusantar(インドネシア農業公社)では農場面積12万ha、またマレーシア・ジョホール
(Johor州)のFelda Palm Industries SDN BHDでは、農場面積11.3万haである。いずれも極めて大規模である。
 以上は「アジア諸国における未利用バイオマスからのバイオディーゼル燃料生産に関わる調査」三菱総合研究所(平成8年9月)を
利用させていただきまとめたものです。


9/12


『バイオ燃料、ジャトロファ(Jatropha)の大量、かつ永続的供給を求めて』(T部 アクションリサーチ編)−魔法にかけられた島、インドネシア・スラウェシ島−

※帰国後、急いで原稿を書きましたので、誤りがあるかと思います。訂正や注意箇所がありましたら、お知らせ頂ければ幸いです。
*写真は、吉川と沖縄大学・緒方先生がインドネシアで撮影したものを掲載させて頂きました。



                              
                          <スラウェシ島、コラカ地区>


                               目    次

               1.沖縄はこのようしにてジャトロファを確保します
                 (1)バウラ村の場所
                 (2)バウラ村と沖縄、そしてわれわれとの関係
                 (3)バウラ村での具体的提案
                   −途上国と先進国を結びつけるビジネス・モデル−
                 (4)ジャカルタに吉川事務所を置きます
               2.今後のジャトロファ開発の展望への提案
                 (1)ジャトロファは農村地域を変革するか
                 (2)証券化によるファイナンス、デリバティブによるリスク・ヘッジ
                 (3)閣議決定、バイオ燃料50万k?の6%を実現
                 (4)在インドネシア、ジャトロファ輸出組合を
                 (5)排出権取引ビジネス、CDMの活用
               3.スラウェシ島・イントロダクション(次回)



 インドネシアから無事、帰ってきました。今日までバイオ燃料ジャトロファのインドネシアのどこが輸入先かを明らかに出来ませんでした。契約等も無事に済ませましたので、お知らせします。インドネシアの南東スラウェシ州コラカ(Kolaka)県のバウラ(Baula)郡の1村とティノンド(Tinondo)郡及びラロラエ(Lalolae)郡の11ヵ村、計2ヵ所です。
 ジャトロファの植付面積は、バウラ郡バウラ村が40ha、ティノンド郡及びラロラエ郡が11ヵ村で29,000ha、合計すると約3万ha。3万haと言えば、沖縄本島の南部地域と同じ広さです。
 ここでは、沖縄向けのジャトロファ産地となるバウラ村を中心に紹介させていただきます。
 さてバウラ村とジャトロファと我々の計画の前に、少々、私事ですが、スラウェシ島について少しお話しさせていただきます。

<バウラ郡バウラ村>
バウラ村のメンバーと話し合いと昼食会(私の左、二人目が村長)       バウラ村のジャトロファの植付けの様子
<ティノンド郡>
ティノンド郡のメンバーとの話合いと昼食会
(私の右隣がBig Wayの代表・坂本氏)
 ティノンド郡の植付けをする土地(3万ha)はこのような状態です
なぜ魔法にかけられた島か、体長約1mの水牛がいる島≫
 私もJICAのプロジェクト等で、インドネシアのいろいろな島へ行きましたが、スラウェシ島は初めてです。比較的ご年配の方は、植民地時代に使われていたセレベス島というと、分かりやすいかと思います。
 スラウェシ島の地理については後述の「スラウェシ島、イントロダクション」で紹介する予定で、この島がなぜ魔法にかけられた島(小生の命名です)かです。
 この島は地球の繰り返された氷河期に、水位が下がっても、再び大陸と陸続きになることがありませんでした。それ故、大陸から孤立して、ある意味で変化に取り残されて独特の動物が発達し、見られます。
スラウェシ島に在来の127種の哺乳類のうち、79種は島の固有種です。
 アノア(anoa)という体長わずか1m弱の水牛(これも bubalus depressicomis と bubalus quarlesis の二種)がいます。これは虎や豹のような、大型肉食獣がいない島の閉鎖環境が独特の進化をしたためです。
 また、黒クスクスのようなオーストラリア系の有袋類もいます。また、皆さんも写真で知っている、見かけは怖そうですが、おとなしい草食動物のバビルサ(Babirusa、豚鹿)も、この島だけで見られます。
 このような動物を見た瞬間、自分は何か魔法にかけられたような不思議な気分になるような島です。
<アノア、体長は約1メートルです>
 このように私も昔から一度は行ってみたい島でした。また、あのウォーレス(A.R.Wallace)もウォーレス線(アジアとオセアニアの動植物境界線)をスラウェシ島では何度か引き直したほどに複雑です。
 私は蝶の採集が趣味ですが、採集家が憧れる蝶の谷、バンティムルン(Bantimurung)があります。
 今回は捕虫網は持って行きませんでした。沖縄復帰の'72年に西表島の調査に加わりましたが、その時、蝶ばかり採っていると大分、言われたことがありました。その時以来、調査の時はネットを振らないようにしています。しかし次回からは、携帯用の捕虫網を持って行こうと、密かに狙っています。


1.沖縄はこのようにしてジャトロファを確保します

(1) バウラ村の場所
 さて、沖縄のジャトロファの輸入元になる、またパイオニア・プロジェクトとなるバウラ村の場所を説明します。
 この村に着くのがなかなか大変です。まずジャカルタから飛行機で3時間程でスラウェシ島の南西半島に位置するマカッサル(旧ウジュンパンダ)に行きます。ここで飛行機を乗り換えて、約1時間で向いの南東の半島の端に位置するクンダリに着きます(地図参照)。
この8月に開設されたマッカサル新空港 トラックに乗り換える
 そこから自動車とトラックで4時間半程度でバウラ村の山村部に着きます。300家族ほどの小さな集落で、そして経済的にも恵まれていない、電気が通っていない村(一部)です。しかし後述するような、元は国の農業指導員で、このジャトロファ・プロジェクトの農業技術の指導をしているシラジュディン(Siradjuddin)氏と縁の深い地域だということです。他の地域と比べ、条件はよくありませんが、同氏に賛同して取り組むことにしました。このバウラ村はジャトロファの種苗を植えるセンターにもなります。
Lakkoの主宰者、シラジュディン氏
LAKKOのパンフレット ジャトロファの種苗センター

(2)バウラ村と沖縄、そしてわれわれとの関係
 インドネシアの「Big Way International Indonesia Oil Ltd.(Big Wayと略記)」と同国農業法人「KSU LAKKO」(以下、Lakkoと略記)、それに吉川研究室株式会社(研究室と略記)が加わって、ジャトロファの栽培、そして熱帯林(原産地)の環境保全はもとより、貧困対策、地域振興という基本的なことに取り組みます。            
 研究室が本プロジェクトに加わらせていただいたのは、次の2つからです。
 1つは、沖縄でのバイオ燃料(パーム・オイル)のNPO会員制による供給の実績(直接:60t、間接:100t)です。この実績とノウハウに基づいて、日本本土に先立ち沖縄でのジャトロファの普及活動(バイオ燃料)を目指します。
 2つめは、JICAプロジェクト(理論編)でのいわば実証編をしよう、また亜熱帯地域、沖縄での体験を生かしてみようということです。
 具体的には当該地域での環境保全、地域振興、またジャトロファの日本、まずは沖縄でのバイオ特区の働きかけです。
 これまでのJICAプロジェクト(Taking Experience of Regional Promotion in Okinawa to Southeast Asia)が少しは評価されたのではないかと思っています。 
 環境保全(森林伐採、破壊)に取り組み、問題を解決するには単に経済的な相互協力のみではなく、当該地域の貧困対策や地域振興に取り組む必要があります。それでなければ本質的な環境問題も解決しません。
 当研究室は、この部分を中心にして協力することで、本プロジェクトも加わらせていただくことにしました。
 本プロジェクトは全部で約2万9千haという大規模なものですが、そのパイオニアということで、私たちはまず、一番小さなバウラ村、ジャトロファの植付け面積はわずか40haですが、まずここを対象にします。
 ここのジャトロファ・オイルすべてとプラスαを沖縄用にしてもらいます。またこの範囲であれば、私たちでも個人的に資金調達ができます。
 写真のように今回、村の人々と締結式をし、いろいろな希望などもお聞きました。バウラ村はすでに一部ジャトロファの植付けも済み、収穫に入っています。
 バウラ村の人々と話し合い、食事会をしました
 前述したLakkoの主催者のシラジュディン氏(写真)とバウラ村と縁が深いこともあり、山間地であって他より条件が悪いですが思い入れがあります。国の異なるプロジェクトを一緒にするには、同じ志の人を探してするしかありません。私もこの思い入れに同意し、パイオニア・プロジェクトに参加しました。
 バウラ村はジャトロファの収穫もできます
 さて、このバウラ村は山間地ですが、他の地域は休耕地でこの再生にも協力します。この休耕地を再生させて地元の人々の生活向上、文化向上に寄与する提案もしていきたいと思っています。
 休耕地の状態を紹介するためにティノンド地区を示します。すでに灌漑施設も整備されています。ジャトロファは乾燥にも強いということで山間地に栽培されているようですが、やはり耕地の方が生産性が優れています。
 ティノンドでは、ジャトロファと大豆の混植をします。ジャトロファの栽培だけでは1〜1.5年、無収入ですのでこれを避けるという意味もあります。
 また、港湾事情【注−1】については次回に詳細を書きたいと思います。

【注−1】港湾輸送事情
 バウラ村、ティノンド地方両地域への輸送は、本地域の中核都市コラカのコラカ港である。本港はニッケルなどの鉱石を各国に輸出するための港です。
 現在は沖に待機している大型船舶や中型船舶にクレーンで積込みをしています。現在、整備中ですが来年には港が整備されます。そうすれば、大量のジャトロファ燃料を直接、日本に輸出することが可能になります。
         コラカの街です。綺麗で落着いた都です。 コラカ港です

  

(3) バウラ村での具体的提案−途上国と先進国を結びつけるビジネス・モデル−
 考えているバウラ村での幾つかの具体的なプランを述べてみます。これはミツゴロウ農場【注−2】のような失敗をしないことが重要です。そのためには地元の人でリーダーシップを取る人との協力、協同事業、単なる事業ではなく、地域振興までが必要です。
@ 山間地開発で赤土流出防止など、沖縄の経験を生かし開発をします。既に産地の上部の開発、伐採は避けてもらっています。
A 幼児死亡率の減少。衛生設備、等の改善が必要です。
B ジャトロファの一部を使って、自家発電を導入し、夜間の電燈、テレビなどを可能にします。
労働にはもちろんモチベーションが必要です。昔、大分県が一村一品運動で「梅、栗植えてハワイに行こう」がありましたが、電気の導入、住環境の整備、若い人の夢、一家に一台のオートバイ購入などを考えます。具体的に住宅の模型などを作り見れるようにします。
C 子弟の教育。我々も現地で日本語、日本のことを理解してもらうことが必要です。そこで沖縄大学の(別科)日本語学科の入学を可能にすることなどを考えています。
D NGO、等との協力関係。環境問題の解決など、地元のNGOと日本のNGOなどに協力をお願いします。またわれわれの活動を外部からも証明してもらうことも必要です。
【注−2】ミツゴロウ農場
 インドネシアにおける、日本の商社の農園営業の失敗例として、記憶されている。
 三井物産とインドネシアのコスゴロ(ヤヤサン・グループ)の合弁会社で、名称はそれから来ている。日本は技術と資本を提供し、インドネシアは土地と労働力を提供し、キャッサバ(タピオカ)の大規模機械農業を試みた。近隣農民の不法侵入や、その他の原因によって困難となり、失敗した。この時期を同じくして、三菱商事、伊藤忠商事など、日本の商社が撤退する。

(4) ジャカルタに吉川事務所を置かせていただきました
 政府関係との交渉や、打合せででジャカルタに事務所が必要になります。Big Wayインドネシアの事務所に吉川研究室の事務所も置かせていただくことになりました。場所は非常に便利なジャカルタの中心部で、ジャラン・タムリン通りに面していまして「Menara BCA Grand Indonesia」です。すぐ近くにホテル・サリ・パン・パシフィックが見えますし、道向いには日本大使館があります。
事務所の入り口です
(Menara BCA Grand Indonesia)
 事務所から外を見たところ

2.今後のジャトロファ開発の展望への提案
(1) ジャトロファは農村地域を変革するか
 ジャトロファの導入がインドネシアの電気など引かれていない、当該国でもベーシック・ヒューマン・ニーズ(BHN)の不足、そして失業、出稼ぎが多いと言われている農村地域(例えばバウラ村)を変革する可能性があるのではないでしょうか。それはこのジャトロファが換金作物(それも外貨を稼げる)で、貧困社会にプラスになるだけでなく、生活変革の可能性をもたらすと思うからです。
搾ったペレット   燃料のいろいろ
 まず、ジャトロファの油を搾った残りを燃料(写真)に使うことができます。今まで薪炭を使っていたので、そのために森林が伐採されていましたが、これがなくなれば環境問題もかなり改善されます。
 この油の一部を自分達の自家発電、村の物資運搬のトラックの燃料に使用できます。また電気を引けない農村では、自家発電用の軽油購入のための元金が必要です。
 一例ですが、村で恵まれている家の例で、1日2?(夜だけの使用です)を使います。一カ月のこの燃料代が4,200円(1?70円×2?×30日)と現金収入のあまりない農家では、大変な負担で、ほとんどの家では使うことができません。これによって全農家が電気を使用できるようになれば、大きな変革が起こると思います。
 また、農村で輸送のためのトラックの燃料も大きな負担です。電気が通り輸送ができれば、われわれが協力できるいろいろな可能性が拡がります。

(2) 証券化によるファイナンス、デリバティブによるリスク・ヘッジ
 植付面積が約3万haというような大きな面積ですと、とても個人企業ではファイナンスは困難です。これには証券化によるファイナンスが考えれます。一方で、国が異なれば、特に途上国では国の政策変更があったりするカントリー・リスクがあります。
 例えば生産国の都合によってジャトロファの輸出禁止(例えばパーム・オイル)というようなカントリー・リスクがあっても、生産から地域振興までに関わることによってクリアすることが可能と考えます。
 また、工場生産ではなく、農業生産ですので気候変動、病虫害(バッタなど)があります。これらをデリバティブやその他の方法でどの程度、リスク・ヘッジができるかなど、いろいろ問題がありますが、またチャレンジャブルなテーマです。
 研究室では生産から地域振興まで総合的にすることによって、インドネシアでの地域分権化(2001年に地方分権化関連法が施行)の動きも活用してカントリー・リスクを避け、継続的な輸入に結び付けようと考えています。
 また我が国にとっても必要なバイオ燃料の輸入ですので、ぜひ国、県からの協力や支援とも結び付けたいと思っています。
 このようなかたちで前述のBig Wayや、また農業法人に協力していきたいと思っています。これについては(3)〜(5)で再めて、述べてみたいと思っています。

(3) 京都議定書・目標達成値、閣議決定のバイオ燃料50万キロリットルの6%を、本プロジェクトで達成
(以下はBig Way、農業法人とは別に私個人の考えです。)
 ご存知のように2004年12月に「'10年までに50万キロリットルのバイオ由来の燃料の導入」を閣議決定されています。しかしそれはいろいろな理由から達成は困難であると言われています。
 本プロジェクトは約3万haの土地を対象としています。ごく少なめに見積もって3万ha×8t種/ha×0.35種/油=8.4万tとなります。50万tの目標の約6%を達成することが可能です。
 前述したようにこの50万tは現実的にとても不可能だといわれていますが、このように地域と密着することによって可能です。しかも単にバイオ燃料をスポット的に入手するのではなく、生産国の環境保全、貧困対策とも総合化する。このことによってバイオ燃料の入手を永続的にすると同時にし、しかも生産国の支援もすることになります。
 
 個別の企業のみが取り組むには3万haと規模が大きく、またカントリー・リスクも大きいのでぜひ国、等の何かの支持がいただきたいと思います。
 そこで今回、インドネシアのプロジェクトでは、日本大使館、JICA(筑波大学時代の教え子などに紹介してもらい)などを訪問して、われわれの取り組みを説明させていただきました。今後、いろいろ協力関係を展開していきたいと思っています。
(4) 在インドネシア、ジャトロファ輸出組合の必要性
 ジャトロファの搾油をしている現場を今回、かなり見てきました。手搾りから簡便自動装置など、千差万別でした。搾られた脂の質はそれこそ千差万別です。ジャトロファ・オイルを日本に一定量輸出するとなると、クルードで輸出する場合、最終燃料とした場合などで、それぞれ品質規格を決める必要があります。そしてブランドを決めて、それで安心して消費者が使えるようにすることです。
 そのために在インドネシアの日本へのジャトロファ輸出組合を設置し、スペックを決め、それをチェックし、ブランド保証することが必要ではないでしょうか。
 またインドネシアでの日本からのジャトロファ見学者の多いと思われるボゴールの国立農業試験場には、これまで約17の企業、大学が訪問しています。かなりの企業がジャトロファの輸出に取り組むと予想されますので、その対応からも必要かと思われます。
  
いろいろな種類の搾油機と搾油されたもの
(5) 排出権取引ビジネス、CDMの活用
 インドネシアでのジャトロファ栽培量が大きくなると(例えば本プロジェクトのように3万ha)、排出権取引、CDM取引量としても大きくなります。これには技術的な方法や客観的に証明してもらうためにしっかりしたNGOやNPOの協力が必要です。
 これについてはバラバラに行なうのではなく、やはり組合などを作ることが必要かと思います。
 そしてジャトロファ・オイルの供給と同時に、この排出権は日本にとっては大きなビジネスになる可能性もあります。


3.スラウェシ島・イントロダクションは次回にします。
*緒方先生にお礼申し上げます。
 実は2年前にに手術をしてから、長期的な海外調査(10日間)は今回が初めてです。研究室のメンバーはインドネシアに調整や契約などで6回行っていますが、私はこのプロジェクトでは初めてです。途中で何かあったらということで緒方先生に付き添っていただきました。
 最終日はバリ島経由で帰国しました。バリ島には沖大の卒業生もいますので、集まってもらい友好を温めてきました。皆日本語力を生かした仕事に就いているということで、ご活躍の様子、大変嬉しく思いました。
 また、マラリア予防用の折りたたみ蚊帳を持って行きましたが、幸い使わずに済み、おみやげに差し上げました。
 無地に帰国できました。皆様に御報告とお礼を申し上げます。インドネシア語の論文を準備していますので、御利用ください(Methods for Regional Promotion)。
 

<バリ島にて>
ジャワ島、ブドウのテガフラン
棚田を眺めたり、くつろいうでいるところ
沖縄大学の卒業生(日本語別科も含めて)の皆さんとの楽しい一時

<私も老骨(65歳です)に鞭打って>
 これまでの諸プロジェクトのまとめだと思ってガンバります。皆さんからの御協力、御支援を頂ければ幸いです。


2008.7/24


『バイオ燃料、沖縄タイムスに掲載されました。実行に向けて頑張っています。』


 また、このHP、出来るだけ早く皆様にお伝えしようということもあり、校正や数字のミスがあり、修正記事を幾度か掲載しています。申し訳ありません。今後、留意します。また、誤りなどありましたらご連絡いただければ大変幸いです。







2008.7/16


『緊急注意、今、農家がジャトロファの栽培に飛びつくのは危険です。−月桃の失敗例があります−』


 農家の方々から、ジャトロファを植えたい、栽培したい、どうしたら良いかという多くのお問合わせがありました。これは私がジャトロファの沖縄での「地産・地消」、とくに離島はライフ・サイクル・アセスメントは可能性があり望ましい(後に修正をしてあります)と、このHPで書いたことも原因かもしれません。
 しかし、果たして市場でダイレクトに途上国の安価な賃金で作られるジャトロファ・オイルに日本の高賃金が太刀打ちできるか、です。また実を採取し、その中の種を取り出し、搾油するというかなりきつい労働に果たして、現在の農家の方々が従事するかも疑問です(参考までに実、種、等の写真を示しました)。販売ルートが確立し、国または県などが環境問題から補助金など支援することが明らかになってから取り組むことが必要ではないかと思います。確かに実験的に試されるのはよろしいと思いますが、ビジネスとして取り組むにあたっては、皆様が関係されている農協、農業専門家にご相談されてみてください。
 私たちも、沖縄バイオ特区などで補助金を働きかけます。また。また、収穫の機械化などにも努力してみたいと思っています。
 月桃での失敗例の新聞記事がありましたのでご覧ください。

ジャトロファの木 ジャトロファの実
実の中の種 ジャトロファの種






2008.1/21(1/23追記)

『沖縄環境取引所が開設されました』

−私たちはジャアトロファに取り組みます−



 1月16日(火)、産業支援センターで「沖縄環境取引所開設記念セミナー」が開かれました。
 これは自主参加型CO2排出量取引システムを構築することを目的に設立されたもので、環境取引を実践するために名古屋、東京に次いで今回、沖縄に設立されました。


            2008年1月17日 琉球新報 日刊




 この沖縄での設立を記念して杉原弘恭さんからは「地球温暖化対策とこれからの地域づくり」、また本環境取引(所)提唱者の向井征二さんからは「国内版CDMによる企業のCO2排出削減」についての話がありました。
 以下にHPを添付しました。環境取引所の目的、活動内容、中小企業支援、等の詳細については同HPをご覧ください。

     日本環境取引機構  http://www.jctx.jp/

<私は4つの提案をさせていただきました>

 私は「沖縄振興とベンチャー・ビジネス −本土メジャーに勝つには− 」を話させていただきましたが、この中の一つとして、私が今、取り組んでいるパーム・オイル・バイオディーゼルプロジェクトは沖縄でなければ(本土メジャーに勝つ)と、CO2排出削減とをリンクしたものです。このプロジェクト自身についての詳細は私のHPを見ていただくとし、さらなるこの展開を沖縄環境取引所に提案させていただきました。
1. 現在、輸入しているパーム・オイルを炭素税としてカウントしてもらえないか。
 今、量は少ないですがパーム・オイルを輸入しています。このパーム・オイルはカーボン・ニュートラル(CO2ゼロ)として、京都議定書でも認定されています。さらに計画しているようなパーム、さらにジャトロファなどのバイオ燃料の使用実験、PRとして輸入量を増加させます。この炭素税をその時の手続き的なトレーニングにしたいと思っています。そしてその炭素税分は、県に、沖縄の観光(環境保全を心がけている沖縄)PRなどのために贈与させていただこうと思っています。
 そして国が正式にまだカウントされなくても、環境省さらには環境取引所からカーボンオフセット証書を使って活動が可能か提案させていただきます。
2. 沖縄でCDM(クリーン・ディベロップメント・メカニズム)の展開をしようと思っています。
 パーム(及びジャトロファ)の生産地で開発のために多くの環境問題が生じています。一方、生産地と同じ(亜)熱帯地域の沖縄ではこれまで豊富な熱帯農業、林業、基盤整備の実験、ノウハウ、蓄積があります。これらを総合化してパームでさらにはジェトロファで環境問題に役立てることが可能です。環境生産地のNPOと可能性を探っています。また国、県がテクノロジー・トランスファーすることも可能ではないでしょうか。
 また、つぎのステップでジャトロファの輸入に入りますが、提携企業グループは生産地との新品種開発、協同農園開発、契約委託生産方式を実施しています。
 これらをCDMとしてカウントし、京都議定書(第一約束2008−2012年)などに役立てることが出来ます。提案させていただきます。
3. 沖縄バイオ特区の提案
 アジアの国々に近接するという沖縄の特性を活かし、日本の環境問題の突破口として、日本で唯一である金融特区(法人税優遇、地方税優遇、諸コスト減策)に代わって「沖縄バイオ特区」を認めてもらう働き掛けをしたいと思います。輸入時の炭素税、また前提したように沖縄が持っている熱帯環境農業技術を踏まえたCDMによるキャップ&トレードの普及のために、沖縄をまず先行(3〜4年間程度)実験的に、「沖縄バイオ特区」を提案したいと思っています。ぜひ環境取引所に関連される皆様に協力をお願いします。
4. 21世紀型公共土木の実施による建設業との両立(1/23追記)
  −CO2から環境保全へ−
(1)環境をテコにした「中軸国家」
 21世紀において日本はこれまでのように経済大国であり得ないことは明らかです。最近の日本の株価の低落などによっても、この事実を真摯に受け止めなければならないことを改めて認識させられました。
 一方で人口、領土、経済規模などの主要パワーである米国、中国、ロシアなどへのもう一つの対応が必要です。
 日本は英国、オーストラリア、ASEANなどのように中級だが国際的な鍵となる役割を果たす「中軸国家」を目指すべきではないだろうか。日本の省エネ技術、過去の公害体験とその解決を活用した環境こそ、その鍵ではないだろうか。
(2)熱帯・海洋地域型環境システムこそ沖縄で
 日本の中で唯一、亜熱帯地域である沖縄は、これまでの土木技術を総合化して、近隣アジア地域に貢献できます。例えば沖縄には、赤色土流出防止の世界に誇るような技術や多くの熱帯農業技術が開発されています。
 さてこれまで社会資本、公共財は国内でのみ使用、適用されてきましたが、これからは国際化に向けた社会資本、公共財を考えなければ経済のグローバリゼーションに対応できません。
 この社会資本G(グローバリゼーション)の一つに沖縄は近隣アジア地域の環境問題、海洋地域型土木技術の展開を、県内の問題解決とも兼ねて考えたいと思います。
(3)建設業と環境ビジネスの両立が可能
 沖縄における建設業の収入、また雇用は11.9%(’07年度)と極めて大きな位置を占めてきましたが、その減少は著しいものがあります。
                 
                <建設業の収入>

   1993年度        8,296億円  *過去最高
   2006年度        5,700億円  *現在の状況
   2007年度(予測)    3,435億円  *公共工事年10%減少とする。民間は変化ナシ。
 土木建設業は環境支持者からは目の仇にされていますが、何も「建設業者は何も埋立てを求めているのではなく、生きるための仕事を求めている」のです。
 まず県内で「環境調和型海岸」(以前提案したものを)は実施することによっても’07年度の減少部分はストップできます。これを一つの実施、実験材料にしたく、<自然共生海岸>づくりをし、さらにその結果を東南アジアの国々へ技術移転します。
 このように建設業と環境ビジネスの両立は十分可能です。
(4)温室ガス排出削減から環境保全へ
 さて沖縄環境取引所(所長・向井征二代表)は「将来は環境取引の活動を沖縄からアジアへ広げ、温室ガスの排出削減に取り組んでいきたい」と提案されています。
 この温室ガス排出削減だけでなく、今後のグローバルな環境問題の展開を考えたとき、環境保全へどう取り組むかがさらに重要になってきます。
(1)の今後の日本、とくに東南アジアでの沖縄の役割、そして(2)の社会資本提供の正当性を認めることが出来るでしょう。
 さらに、これらと沖縄経済の解決提案をあわせて、ぜひ沖縄環境取引所と一緒に提案していきたいと思っています。

*実は私は環境アセスメント、環境計画が専門でした。

 実は私は沖縄大学に赴任する以前(13年前)の大学(院)では、環境関連(環境アセスメント環境技術)を教えていました。
 しかし沖縄に来て現実の社会・生活を見て、体験して、環境、基地問題を解決するにはまず沖縄が食べることが出来るよう、生活が出来、自立することだと思いました。そしてベンチャー・ビジネス、沖縄企業・産業論を教えるよう、アクション・リサーチをするようになりました。



講演レジュメを添付します。ご覧ください。

                   2008年1月16日 沖縄環境取引設立記念セミナー「沖縄の地域振興と国内排出量取引」


    
             沖縄振興とベンチャー・ビジネス
             −本土メジャーに勝つには−

                      
                                    ’08.1.16 吉川博也
0. 沖縄環境ビジネスの可能性とチャレンジ(提案)
(1)私の試み、ぜひ皆さんの御協力を!
 パーム・バイオ・ディーゼル燃料
 ・各地に適した分散化により、リスク回避のエネルギー政策
 ・CO2フリーのガソリン(排出権利用、沖縄環境取引所活用の可能性)
 ・価格引き上げ、ガソリン税と環境税
 ・一年間の地域社会実験の試み

(2)提案、親水性・環境調和型護岸
 ・21世紀型公共土木の実施による建設業との両立
 ・熱帯・海洋地域型環境システムこそ、沖縄で実施実験
 ・既存開発した熱帯土木技術の総合化とアジアの国々への技術移転
 ・地元(小)企業の協力、分担できるLLP(有限責任事業組合)の導入

(3)提案、環境容量増大による沖縄観光客対応
 ・沖縄の年間1,000万人の観光客を可能にする
 ・自然共生型海岸、ビーチ作り
 ・地域ニーズ、特性を踏まえた環境容量増加技術の開発
≪CO2排出権から環境権容量増大、国際共用財ビジネスへ≫
1. 沖縄新産業・企業領域の可能性
(1)本土型追従型モデルからの脱却
(2)辺境の逆転、潜在力を顕在力へ
(3)沖縄新産業領域
(4)沖縄地域資源の活用、本土メジャーに勝つには
*少し気になること、沖縄商品が本土メジャーに負ける
2. 私の支援体験と変遷
(1)アクションリサーチの展開
(2)地域政策支援の限界
(3)地域起業家支援
(4)経営にも加わる支援活動
3. うちなーんちゅ主義の限界と可能性
(1)バカ者、若者、外者論
(2)うちなーんちゅ主義の限界
(3)外に開かれた自立論
(4)国際化社会資本、国際化共用財
4. 最近、私が言いたいこと
・沖縄に米軍基地は似合わない
・沖縄観光は人数ではなく内容だ
・泡瀬埋立ての中止とその復元を
・沖縄アッセンブル産業の可能性



2007.9/29(10/1追加)

『皆さん、地球温暖化対策のためにCO2削減に取組みませんか』
− パーム・バイオ・ディーゼル燃料の販売をしています −



 皆さんに、パーム・バイオ・ディーゼル燃料の販売を早くお知らせしたいと思っていたのですが、ようやく準備、段取りがつきました。
 お知らせすると同時に、ディーゼル燃料自動車をお使いの方は、ぜひ地球温暖化のために、一緒にCO2削減に取組みましょう。

              
                               <ステッカーも準備します>


〜早くレポートにしようと簡単にまとめましたが、順次、このレポートを加筆・修正をさせて頂きます〜

<1リットル108円で販売し、大分赤字を出しNPO会員から心配されています>
 パーム・バイオ・ディーゼル燃料の輸入代金、輸送料など合計して、軽油よりは少し安い料金(社会実験ということもあり)で販売できる予定でした。それが今年に入り、パーム・オイルの燃料が高騰しました。
しかし、軽油より安い料金で販売するという宣言をしましたので、大分悩んだのですが、やはり軽油よりは少し安い108円で販売することにしました。
 大分赤字を出すことになり、NPO法人の皆さんからお叱りを受けています。今、輸入ルート(アフリカ)などいろいろ工夫しています。軽油より安く、かつNPOでも黒字が出せるように努力しています。
アフリカ側責任者

<1年間の社会実験が済み、問題がないことが明らかになりました>
 昨年(’06年)10月からマレーシアから輸入(本土軽油)した、100%パーム・バイオ・ディーゼル燃料に御協力いただき有難うございました。社会実験と称して各社(NPO法人いきいき沖縄ネットワーク法人会員)に、いろいろな車の車種、年代、使われた方をいわば実務的に実験して頂きました。約1年間、継続した実験の結果、故障の有無、ガス、パワー等、に問題はありませんでした。なお、’06年10月〜’07年6月:100トンを本土経由で輸入、現7月から:60トンを直接、輸入しました。

 近々、データとしてまとめて提出させて頂き、これをここで発表しようと思います。また、使用結果などインタビューしたものも載せようと思います。
 御協力頂いた下記の皆様に御礼申し上げます。またその使用実態については、使用した企業に直接、お問い合せ下さい。販売する側の私が説明するより、実際に使用している使用者の方に具体的に答えて頂いた方がリアリティーがあると思います。

※パーム・オイル使用のいきいき沖縄ネットワーク法人会員(企業)

   有限会社 沖縄通関者
   株式会社 前竹工業

その他、6−7社ぐらいありますが、今、掲載許可を頂いているところです。


<パーム・オイルには排ガス汚染はありません。実は・・・ホット、安心しています>
 これまで、(石油の)ディーゼル燃料の一番大きな問題は、排ガス汚染です。恐れていたのは、パーム(植物)の場合も何らかの排ガス汚染があるのではないか、ということでした。

 それは昔、私が居た(小生は大学の方)筑波の研究学園の国立環境・大気影響チームの嵯峨井勝先生(現・青森県立保健大学)の本著者「ディーゼル排ガス汚染」です。そこには自動車ガスに含まれる物質、健康影響をはじめ、あらゆる問題が書いてあります。

 これを読んで、どのような暴露量の実験などをしなければいけないか等、悩んでいました。
 嵯峨井先生からパーム・オイル自体の排ガスは100%とは言えないが、汚染の問題はほとんどないと思われるということでした。
 嵯峨井先生とも御一緒に、このパーム・オイル、またプラス・アレルゲンなど、実験しようと思っていますが、実はホットし、安心したところです。
 これからは、大威張りで皆さんにパーム・オイルを勧められます。

<アフリカからのパーム・オイル燃料の安定供給が、ほぼ目途が着きました。アフリカにある事務所と共同で行ないます>

                       <現地事務所、アフリカ側との打合せ>
 

 売買基本契約書などでお世話になっている弁護士事務所からも、商品の安定供給の目途が着くまでは、このパーム・オイル燃料のPR等をホームページに掲載するのは、控えた方が良いとの注意も受けていました。

 小生の筑波大学時代の教え子や、商社関連の友人達から、つぎのような注意を受けました。アフリカとの貿易(パーム・オイルの輸入)は、現地に事務所を開設して、職員を一人置くぐらいにしなければ、品質のチェック、決算に安心が出来ないと言われました。
 幸い、小生の知人がアフリカへ医療器具を安定的に輸出するため、現地に事務所を開設し、貿易のベテランを置くことになり、そこと共同で、このパーム・オイルの輸入も行なおうと進めています。輸出の度にパーム・オイルのチェック(日本の品質検査)ができるようにします。ほぼ目途が着きましたので、皆さんにご報告させて頂き、PRさせて頂きます。アフリカ側から責任者、現地事務所担当者も沖縄に来ていただき、沖縄大学で話し合い、オフシャル・レターも交換しました。

 この詳しい内容については、アフリカ側から、もう少し具体化してからHPでは明らかにしてくれとのことで、現時点では紹介できないのが残念です。

<バイオ燃料に優遇税制、(ガソリン)税免除に>
 これは、5月30日の小生ホームページでも、緊急連絡として掲載しました。パーム・オイルを使っているある企業が、山原(ヤンバル:本島北部)に配達に行った帰り、このパーム燃料を使用している車が、途中で補給が必要になりました。パーム燃料を山原(北部)では、給油することがではできなかったので、やむを得ずガソリンスタンドで軽油を補給し、帰ってきたことがありました。

 パーム・オイルは、石油からではなく100%植物からできておりますので、軽油取引税の対象にはなりません。
 しかし、少しでも軽油が入っていれば、軽油取引税の対象となり課税となります。そのことが、沖縄県税事務所で問題になりました。そして、その企業はそれまでパーム・オイルを使用したすべての量を軽油使用と見なされ、課税されました。
 来年の4月、詳細はまだですが、バイオ燃料を仮にガソリン(ディーゼルは軽油)と混ぜた場合、そのバイオ燃料分だけ、非課税とすることになります。
 このようなバイオ燃料、優遇税の方向が取られます。

         


 沖縄県税事務所でもこのようなバイオ燃料への協力の方向のなっていくと思われます。これも私をホッとというか、皆様に大きくPRできる理由です。

<パームを購入したいという方はまず、NPO法人いきいき沖縄ネットワークの法人会員になって下さい>
 このパーム・バイオ・ディーゼル燃料の販売は、会員制に限られています。購入されようとする方は、まずNPO法人いきいき沖縄ネットワークの法人会員になって頂かなくてはなりません。

 NPO法人いきいき沖縄ネットワークのホームページに「会員申込書」など、すぐにプリントアウトできるように掲載されておりますので、そちらをご利用下さい。 特定非営利活動法人 いきいき沖縄ネットワーク

 なお、上記に関するお問い合せは、小生の研究室へメール(yosikawa@okinawa-u.ac.jp)または、TEL&FAX(098−832−2958)にてご連絡頂ければ幸です。ご連絡お待ちしております。






2007.5/30

<緊急連絡>
パーム・バイオ・ディーゼル燃料使用会員へ

「軽油混入(0.3%以下)の厳重注意



 一昨日、研究室に県税事務所軽油調査班のご担当の方がお見えになりました。当会員のパーム・バイオ・ディーゼル燃料使用の幾車(台)かに軽油が混入されていた旨、ご注意を受けました。
 さっそく注意を受けた企業数社にその原因と理由をヒヤリングしました。
 山原(本島北部地区)方面へ配送に行った帰りに、燃料が不足しそうになったので、スタンドで軽油を補給したとのことでした。
 他の会社は、初めにパーム・バイオ・ディーゼル燃料を入れる際に、完全に軽油を抜き取っていなかったのではないかと思います。

<軽油取引税についての注意>
 会員の方々にはご注意しましたが、次のような当NPO法人との契約は、厳守してください。
 軽油が少量でも入っていれば、軽油取引税対象になりますので、混入、パーム・バイオ・ディーゼル燃料給油時の軽油の完全抜き取りについては、厳重に守って下さい。
 これを厳守していただかないと、当NPO法人はもとより、各会員の皆様にも、そして県税事務所にも大変迷惑を掛けることになります。よろしくお願いします。

<沖縄では軽油を入れる本質的な理由は見当たらない>
 本土では12℃以下になることが多いので、パームに軽油を入れて、使うことは考えられます。しかし沖縄では12℃以下ということは滅多にないし、また軽油の方が高価だから、本質的にはパームに軽油を使うことは考えられません。これは供給がスムーズにいかなかったり、またパーム油との切り換えの時、残っていた軽油が入ったということです。意図的ではなく、偶然の事故としか考えられないので、さらにこれも防止することを考えたいと思います。

<会員制にした理由>
 会員制にした理由も、このようなことが生じないように、また仮に生じても、個別にすべてチェックさせていただいて、対応が可能です。仮に会員制でなく、自由、フリーであれば、チェックすることができません。
 契約(軽油混入厳禁)を守っていただけない会員の方には、退会していただき、パーム・バイオ・ディーゼル燃料の供給は停止させていただきます。
 またこの使用は、使用者の自己責任によるもの、いわゆるオン・ユア・ユーズである旨、明記してあります。軽油混入による軽油取引税の最終的な責任は、当事者に取っていただきます。

<当NPOの対応策>
 県内を長距離、また各地を運転しても、パーム・バイオ・ディーゼル燃料が供給できるようなシステムを、少なくとも糸満、現在の那覇にさらにもう一ヵ所、そして北部に設置するよう至急準備に入ります。
 また当面は長距離移動される時は、ポリタンクのようなものを車内に準備してください。
 そしてパーム・バイオ・ディーゼル燃料に切り換える時、少量軽油が残ったときの対応は、下記のクロマトグラフィーによるチェックの対策を準備します。

<会員に対するクロマトグラフィーによる軽油混入、防止の準備をします>
 県税事務所は車の油を抜き取り、クロマトグラフィーによるチェック)をしています。クロマトグラフィーですと、少量、微量であっても軽油の混入反応が出ます。
 そこで当法人で先ずはサンプル(当初はアウト・ソーシングで、会員のチェックさせていただき、反応が出た場合の対応ないし退会などの対応をさせていただきます。
 またパーム・バイオ・ディーゼル燃料に切り換える際の軽油の安全な抜き取り方法、システムもクロマトグラフィーを使い、完全なものにするための準備をさっそく始めます。

<クロマトグラフィーを当NPOで独自に準備します>
 クロマトグラフィーによるアウトソーシングによる試験は、費用も時間も掛かりますので、近々に独自で準備ないし、他機関との協同使用をする準備をします。
 クロマトグラフィー、昔に比べると大分、安くなりましたが、かなり高価です。そこで今、中古を探すと同時に、小生の昔いた大学でもう使わなくなったものや新機種を導入するので譲っても良いという話もありますので、今、いろいろあたっています。当NPOで独自に入れて、すべての会員のチェックできるサービスをしようと思っています。
 もっと安いクロマトグラフィー、また現在、使っていないものがありましたら、ぜひご連絡ください。
 また幸い沖縄大学の理科実験室の一部を使わせてもらえることになりましたので、小生も昔とった杵柄(実は小生の学部は理工学部です)で、自分でもサンプル試験をしようと張り切っています。もしお手伝いいただける経験者があればご協力ください。

<給油タンクをパーム用と軽油用の2つにする>
 最終的にはつぎのように考えています。軽油の混入が0.3%以下かどうかを計量的に明らかにし、一台(車)づつ証明する計量分析(高価な自動の計測機を導入するなら別ですが)は、けっこう手間がかかります。
 そこで万が一、パームが出先で不足して軽油を給油せざるを得ない時のために、別のタンクを設置しておく方法が考えられます。
 これは一部のバスで実施、認められている(?)方式です。観光バスは、観光地で長時間停車し、お客さんを待つことが多くあります。そこで、特に沖縄では、停車している時でも冷房を切ることができませんので、この間は重油を使って冷房を動かします。その時に、別の重油用のタンクを使います。少し投資が必要ですが、このようにタンクを二つ設置すれば完全に軽油との混合は避けられます。

<これまでの使用、輸入予定のサンプルです>
 当り前ですが、これまで使用していた、今度輸入する予定のパーム・バイオ・ディーゼル燃料、まったく経由は入っていません。
 念のためクロマトグラフィーの試験結果、参考に示しておきます。






2007.5/22

パーム・バイオ・ディーゼル燃料事業、記者会見の記事が、沖縄主要新聞社2社に掲載されました。

           

                 






2007.4/19


『 新ビジネス、事業にチャレンジします 』
 −パーム・バイオ・ディーゼル燃料、沖縄−

まったく不完全な内容ですが、メモが完成するまで時間が掛かりそうですので、取りあえず皆さんにお知らせします。そして問題、課題の指摘頂き、また一緒に協力したいという申し出など期待し、お待ちしています。よろしくお願いします。

 今日(4月19日、朝刊)の沖縄タイムスの思想(17面)に、新垣誠氏が「(沖縄が、小生、追記)困窮する生活の中、命を担保(米軍基地を提供、小生、追記)にカネを受け取るような政治選択を強いられてきた。と書いていましたが、小生もまったく同感です。

 私が起業やベンチャービジネスの支援、協力をしているのは米軍基地の撤廃、そして個人の自己実現を通して、沖縄の経済自立を図ろうとしているわけです。


<バイオディーゼル燃料、ひょんな事から、そして沖縄だからこそのチャンス!>
 これが、これからお話しをするパーム・オイル燃料(ディーゼル用)です。


昨年の9月、ディーゼル自動車用燃料の100%パーム・オイルが研究室に持ち込まれました。本土では夏を過ぎて、気温が低く(12℃以下)なり、パーム・オイルが使えなくなるので、沖縄で使ってみてくれないか、ということです。
 私は実はやっかいな話しが持ち込まれたなぁ〜、しかしいろいろお世話になっている人の紹介で、沖縄のCO2排出量削減に環境問題の解決に先生の最適のプロジェクトと言われ、少し困っていました。

 またパーム・オイル100%(ニート規格)のようなカーボン・ニュートラルなバイオ燃料で、実際に使用が容易で、しかも現在ディーゼル・エンジンで使っている軽油より安いというのは、その時はとても信じられませんでした。このようなパーム・オイル燃料のようなものなら、すでに全国で使っているはずです。何か問題があるのでは・・・。
 実は多くの人が、また専門家が信じないような商品や所に大きなビジネスチャンスがあるのです。小生が取締役をしていた、(株)レキオファーマで痔の新薬開発の時がそうでした。手術ではなく注射で治るといっても、はじめの頃は専門家に信用されなくて、小生は一時、詐欺師と疑われたほどです。それが現在では正式に許可されて全国の病院で使われ、広く普及しています。 
 また徳之島での陸、川砂開発のときも、だれも信じてくれませんでした。
 さて、いろいろなことが多忙だったこともあり、この話への実際の取組みはしばらく放っておきました。
 その間、100%パーム・オイル・ディーゼルエンジンの可能性と問題点、実際の使用例、また筑波大学でのヒヤリングなど私なりに、まずはいろいろ調べてみました。

・日本でも現に幾つかの自動車会社、例えば福島交通(株)をはじめとして各運輸会社では使用していて、夏季ではありますが問題はないようです。
・ドイツでは、各種バイオ・オイル(主として菜種油)100%を使用しているが、流動点が高いため冬季は軽油に切り換えています。
・バイオディーゼル研究の日本の第一人者である筑波大学・バイオシステム研究科の松村正利教授(小生が前任だった同じ大学の研究科ということもあり)を筑波大にお伺いして、いろいろなお話し、ディッカッションをしました。そこでいろいろな可能性について聞くことが出来ました。この時の成果は、考え方、アイディアについては、後述の研究メモに反映させました。

 なお、松村先生につきましては、関連企業のHPhttp://www.suncarefuels.com/aboutcompany.html、大学のホームページは、http://www.agbi.tsukuba.ac.jp/~aquacel/MATSUMURA%20Masatoshi.htmですので、ご参照下さい。
 そして断然、何よりも興味を引かれたのが、パーム・オイルの流動点が12℃前後で、日本では年間を通して使用できるのが沖縄だけだということです。このパーム・オイルこそ「沖縄だからこそ本土産業・企業に勝てる」商品、チャンスではないでしょうか。

<沖縄のビジネスの優位性と社会貢献>
 さて、ここまでの展開では沖縄が本土と比較して、気温が高く、価格の安いパーム・バイオ・ディーゼルを有利に使えるということです。
 しかし、これだけでは面白くありませんので、沖縄のビジネスの優位性、そして社会的貢献という視点から、つぎのように展開を計画しています。
 先日(2007年3月19日)、沖縄産学官連携推進フォーラムで発表したプレゼンの資料(抜粋)を使って説明させていただきます。
 そのポイントは「沖縄パームオイル・ディーゼル・イニシアティブ」という考え方です。沖縄がパームオイルというバイオ・ディーゼル燃料に自ら率先して、積極的に関わることにより、産業の活性化と地球温暖化を可能とし、さらに生産地の関係機関・団体・個人と良好な関係を作ることによって、大きな問題となっている熱帯林破壊、土壌浸食の防止と改善に協力すると同時に輸入を永続させようとするものです。

◆「パーム・バイオ・ディーゼル燃料の沖縄での地域社会実験」を御覧下さい。
 現在、つぎのような研究メモを書いています、近日中に追加します。
・ゲリラ的戦略ではなく、永続的、オーソドックスに
・バイオディーゼル燃料のハンドリング、使用ガイドライン
・国際戦略的視点からの日本のバイオ燃料−多様なバイオ資源の一つとしてのパーム−
・もう一歩進めたフェアトレード−沖縄の熱帯農業技術による支援−
・NPO活動からビジネス、自家消費から販売活動へ−
 また先日、その写真のみ掲載しましたが、大学紀要で(近々、全文掲載)発表した下記の論文では、一部インドネシア、タイ語にもなっていますので、これも活用しようと思っています。


             Regional Promotion Upbringing, Educational Program
        -Using the JICA-Net Development, Implementation and a Evaluation-
                      <Training Course Title>
             Methods for Regional Promotion as Seen in Okinawa
               and Regional Development in Southeast Asia

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    (PDFの資料)






2007.3/19 


沖縄産学官連携推進フォーラム
  プレゼン発表 -沖縄パーム・バイオ・イニシアティブ-