5.バイオ燃料使用会員からの声

※ホームページでは、最終的な結論のみ示しました。質問、疑問また提携、御提案のある方は、ぜひお気軽にご連絡下さい。

沖縄バイオ燃料について、フローチャートを図−1にまとめました。この図を見ながら、以下をお読み頂ければ幸です。


   



<社会実験、パーム・バイオ燃料から学ぶ>
 この一年半のパーム・バイオ燃料(ディーゼル)供給(160トン、5社、30台)の地域社会実験(アクション・リサーチ)をしました。すなわち、海外での調達、輸送方法、輸入手続など実務、通年の使用経過では技術的なことを学び、使用者また関係機関からは本音を聞くことができました。また多くの普及効果もあったと思います。
 ここでは本来のバイオ燃料開発の目的である地球温暖化対策、健康被害、環境問題など建前(たてまえ)以外で、使用者の継続的な使用を可能とする条件、いわゆるその本音を明らかにしてみたい。またバイオ燃料導入の関連機関(自治体)の本音は地域振興(雇用)でした。(注・1)

@常時、安定した資源供給先の確保、保証(最低でも1年間以上)。
A仮に軽油価格が変動しても、それと比較して少しでも安価な価格を希望。
Bパーム・オイルの流動点、目詰り点(CFPP)が12℃前後である。これをもう少し低温でも使用可能にし、沖縄の冬の寒い日でも普通に安心して使えるようにして欲しい。

 このような本年の要望を踏まえて約半年の準備作業、すなわち資源の調達、新機材の導入、調査研究の下でスタートを致します。

<総合的なバイオ・プロジェクト>
 バイオ燃料は、単に地球温暖化削減効果のような建前だけではなく、本音を含めた総合的な多様な視点から取り組まなければ、現実的には目的が達成されないことが明らかになりました。
 それは図−2の「三角グラフ」に示したように【X】地球温暖化削減効果、【Y】地域振興、【Z】総合燃料コストの三者です(なお、「三角グラフ」については、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を参照されたい)。

 日本、とくに導入する地域の視点からは、上記の三者から総合的に評価して政策目的、コストの変化に対応した評価、選択をする必要があります。
 このような総合的、多様なバイオ燃料を当該地域ごとに選択し、採用する必要があります。それも当該地域の政策目的(地域振興など)、燃料コストの変化に対応したバイオ燃料を総合的にフレキシブル(地域別、コストの変化)に採用する必要があります。


            


<選定したバイオ・ディーゼル燃料>

 今、沖縄で私達が現実に調達可能なバイオ燃料は、前述した条件から後述する<3種のバイオ>を選択しました。(注・2)
 これらの3種のバイオ燃料に比較のため、軽油を加えてX、Y、Zの視点から評価したのが図−2です。
 また、この「三角グラフ」を見て、国産バイオ燃料(X:輸)の方が輸入バイオ燃料(X:国)より地球温暖化(悪化)を促進しているのを不思議に思う方がおられるので、図−3を示しました。(注・3)



       


<3種のバイオ>

 バイオ燃料の量的確保と、さらなる増加への対応。廃食油のリサイクルの実現化。さらに燃料、輸送コストの変動への対応。
 これらのことを常に考えて、3種のバイオ燃料の調達・供給量を変化・調整する必要があります。場合によっては、3種バイオ燃料の混合も考えています(E5のように軽油とバイオが問題ないことでもお分かりのようにバイオ同士の混合は、問題ありません)
 つぎにこの3種のバイオ燃料をわれわれはどのように位置づけ、そして準備したかを結論だけ示しました。

パーム・オイル燃料

これまでの輸入先に加え、さらに原料調達先(アフリカ)の多様化、2番搾り方式による量及び価格の安定化。

ジャトロファ・オイル燃料(※注:この特性については本HP新着情報2/4を参照されたい)

輸入及び輸入先の支援による量及び価格の安定化。また国内(沖縄)での栽培による地産地消化(一部の離島、F1種の確保)。

廃食油の燃料

これまでとは異なった高速遠心分離機の開発が必要です。これにより廃食油を濾過するだけでクリーンなエネルギーが可能となります。この機器導入、使用によって、地域のバラツキに対応した廃食油の燃料化が可能となります。
沖縄の廃食油(5%程度)をジャトロファ・オイル燃料(油)と混合することを試みました。これによって現在、沖縄の廃食油を九州(   )へ出していましたが、これを県内で処理することが可能になります。しかし、沖縄の廃食油にはラード分が多く含まれていたり、油分以外の混入もあるようです。当分はジャトロファを中心にバイオ燃料を使っていきたいと思います。

なお、この輸入先の支援、交流については小生の大学紀要8号「JICA-Netによる遠隔技術協力システムに関わるコンテンツ開発及び実施−沖縄にみる地域活性化手法と東南アジアの地域振興」(英文)(写真が多くありますので、これだけでもご覧ください)を参照されたい。

 さて、上記3種のバイオ・ディーゼル燃料の選択及びその開発・使用方法を工夫することによって、地域に最適なバイオ・プロジェクトを確立することができる。

(注・1)
沖縄の市町村関係者とバイオ燃料で話し合いを持ちましたが、そこに良く出てくるのが宮古島市の「バイオ燃料構想」である。それはサトウキビによるバイオエタノールで、宮古島市のように5年間で15億円(事業委託金)のお金が入るなら、今すぐにでもバイオ燃料を導入します、というスタンスである。市町村では建前の部分よりもむしろ、地域振興の手段として考えている。

(注・2)
日本本土でバイオ燃料を調達しようとすると、例えば菜種の栽培、その利用、また廃食油の回収利用、そして夏季に限定したパーム・オイルの東南アジアからの輸入であろう。
しかし日本の中でも唯一、亜熱帯地域で年間平均気温が23.5℃、最低気温10.2℃である。そして15℃以下にはめったにならいという温暖な沖縄は、バイオ燃料の使用、貯蔵、栽培条件では日本の中では最も有利である。
また、バイオ燃料の海外からの輸入でも、その主要な輸入先である東南アジアに近接し、環境条件も類似しているので有利である。例えば世界中で多く使用されているパーム・バイオ燃料でも、日本本土では春、秋、冬の使用はいろいろな困難、トラブルを生ずるが沖縄では通年使用(今回の地域社会実験でも実証)可能である。
また食料と競合しないので、バイオ燃料として注目を浴びているジャトロファの栽培でも、その日本名「南洋アブラキリ」が示すように、沖縄は日本の中で有利な条件を持っている。


(注・3)
 バイオ燃料を輸入(東南アジアからパーム・オイルを想定)すると、その原料生産は主として人力で行なうのでCO2の発生が少なくなります。しかしこれに比べ、国内でのバイオ生産(国内菜種栽培を想定)は肥料や機械によるので、多くのCO2の発生、燃料消費を伴います。わが国のようにライフ・サイクル・アセスメント(原料の製造から最終の消費までトータルな評価)をすると、実は「三角グラフ」のようになるので、留意することが必要です。



※ホームページの更新を三週間も休みまして申し訳ありませんでした。この「バイオ燃料プロジェクト」の書き方でも悩んでいました。資料やデーターを使い正確に述べようとすると、かなり時間が掛りそうですし、又かなりの分量になります。これからホームページでは、写真や図を中心にして、簡単に結論のみを書くことにしました。