1.『環境と社会にやさしく、沖縄に適した100%バイオ・ディーゼル燃料 −非食物(ジャトロファ)とストレート・ベジタブル・オイル(SVO)− を供給します』

(1)沖縄型バイオ・ディーゼル燃料

 われわれはこの1月迄、会員制による100%バイオ・ディーゼル(ニート)燃料(以下、バイオ燃料と略記)60トン、5社、30台の普及、供給をさせていただきました。

 この実務使用での結果、ご意見、さらに社会的、世界的な動向を踏まえて、新たにつぎのような普及活動をさせていただきます。これまで通りご協力いただければ幸いです。7月下旬より本格的にスタートしたいと思っています。
 下記の@−Bのわれわれの試みによって、会員のご要望の高かった軽油と同じか、安い価格、また安定した供給を実現しました。

@バイオ燃料の主要な原料として、食物とバッティングしない非食物のジャトロファ(南洋アブラギリ)を使います。
この安定した輸入が可能となりました。
 <ジャトロファの実と種>

A燃料製造方法は有害物質やグリセリンなどの排出をしない、濾過装置付き(HCMC)<写真参照>のストレート・ベジタブル・オイルを採用しました。そしてHCMCによって、濾過が完全になりました。
B通年、温暖な沖縄では、この装置によって、濾過が安全になったのでバイオ燃料100%(ニート)の車への油加熱、等のキットが不要になりました。
 いわばジェトロファの安定的な輸入、橋本式濾過装置、それに温暖な沖縄という三点セットによって、ここで提案する沖縄型バイオ・ディーゼル燃料が可能となりました(詳細は(2)、(3)に後述します)。
<大橋式遠心分離器の説明書のTOPメージ> 資料提供:大橋氏

C沖縄バイオ特区、さらには全国バイオ特区を提案して、バイオ燃料の普及に努めます。
トピックですが、ニュージーランド航空は年内にジャトロファによる飛行試験を開始するそうです。沖縄の空港を利用する航空機もその燃料を、税制度の減免等によってジャトロファを導入し、沖縄の空をきれいにしたいですね。
※なお本バイオ燃料の使用は沖縄県内に限定させていただきます。それは気温(加熱器なしによるSVOの使用など)の関係、指定修理工場と対応サービスが沖縄県内に限定されているからです。

※※また引き続きNPOの会員制による会員間での協力による自家消費にさせていただきます【NPO法人環境いきいき沖縄ネットワークのホームページ(http://www.ikiiki-okinawa.or.jp)を参照】。


 私達はつぎのような考えに基づいてチャレンジ、実行しています。
 私達の考え方に賛同、協力される企業、個人の方々はぜひご協力ください。
 

(2)食糧とバッティングしない非食用油に変更しました 〜 パームからジャトロファへ 〜

 これまで、われわれはディーゼル燃料として、パームオイルを輸入し、供給してきました。それはこれまでパームオイルは実績があり、かつ価格・数量も安定していたからです。また、さらにパームオイルの流動点は12度以下ですので、100%のもの(ニート)を通年使用できるのは日本では沖縄だけです。すなわち、このパームオイルは沖縄の産業、企業に有利に働くのです。
 しかし一方、パームオイルの原料になるアブラヤシの生産地ではつぎのような諸問題が起きています。

○需要急増から、熱帯雨林が急速に減少している。さらにこれから発生するいろいろな問題がある。
○食糧とバッティングするので、途上国の食糧を奪うことになる。
○アブラヤシの特性に伴う搾油、粗製特性から過酷な労働条件となっている。

 私達もアブラヤシ開発に伴うこれらの問題点は理解していましたし、また忠告も受けていました。しかし沖縄でのバイオ燃料の普及スピード、価格、沖縄の有利性を優先して、まずはパームオイルを使用してきました。
 私達もこのアブラヤシ開発の問題を解決するために、NPOとの相互交流や、亜熱帯地域である沖縄が持っている環境問題解決技術(例えば、赤土流出防止など)のテクノロジー・トランスファなどを計画してきました。
 そして今、注目されているのがジャトロファです。これはトウダイ科に属する樹木で、日本語では南洋アブラギリと言われ、食用植物の栽培が不可能な高温・乾燥の荒れ地でも自生すると言われています。種子の40%近くが油分で、種子は毒性(シアン)があり食べられないため、食糧とのバッティングが避けられます。さらに流動点もプラス5℃以下です。しかし、量的確保、価格などからその実現化は、これまでなかなか困難でした。

 しかし、このジャトロファと後述する大橋式濾過装置の組合せ、さらに温暖な沖縄での使用によって、ストレート・バイオ・オイル方式による本バイオ燃料使用がはじめて可能になりました。そこで、日本本土での本格的な普及の前にBig Way グループ、すなわちBig Way International Investment Ltd. Hong Kong(香港)、Big Way International Indonesia Oil Ltd.(インドネシア)との協力の下に、まず沖縄で先行的に実施することになりました。

 しかし単なる買付輸入ではなく、生産農地とも協働開発による、長期的な安定した供給を可能としました。非食用植物燃料油のジャトロファなので、特にヨーロッパを中心にニーズが高まってきている。このような中で、前述のBig Way グループ、また本バイオ燃料導入の中核となっている吉川研究室が取組んでいるRegional Promoter Upbringing , Educational Program(JICA-Net) でのインドネシアのメンバーと一緒に生産農場の確保、精製工場の建設に取組んでいます。残念ながら今は仮契約の段階なので、その場所、面積などを具体的に明らかにすることはできません。本契約が済んだ段階では、皆様にご報告したいと思いますが、現在の段階では写真のみを示すことにします。このことによって、バイオ燃料の原料であるジャトロファの価格・量の確保をまずは沖縄でしました。



                                   <インドネシアのジャトロファ農園>
                                     写真提供:Big Wayグループ

(3)「何も足さない、何も引かない」方法を活用しました −BDFからSVOへ−

 バイオディーゼル燃料というと普通、植物由来の油とエタノールなどを原料として水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と化学反応させ合成した、メチルエステル化を指しています。

図E<バイオディーゼル燃料の生成反応>

引用文献:改訂版「バイオディーゼル・ハンドブック 〜地球温暖化の防止と循環型社会の形成に向けて〜」

 日本ではBDFと呼ばれていますが、これまでわれわれが提供させていただいたのもこれです。
 このBDF方式はいわば軽油の代替品を求めたもので、エタノールなどの化学薬品を使い、グリセリンを抽出します。ですからこの方式は化学薬品などの有害物質、グリセリンなど多額の処理費用を伴い、さらに汚水などの排水も伴います。

 これに対して植物油のまま、いわば「何も足さない、何も引かない」で使うのがSVO(ストレート・ベジタブル・オイル)です。 しかしこれまでは自動車内に油加熱キットを取付けたり、燃料としての粘度を低下させてからしか使えませんでした。粘度を低下させるなどの必要性がなければ、環境問題からみて有害物質を排出しないSVO方式が優れているので、それが不可能でした。
 それはSVOによるディーゼル・エンジン燃料は、自分で廃食油を集め、それを手作りで濾過(コーヒーフィルターなど)して使用するというような、個人的、趣味的なもので濾過が不完全だったからでした。

 また、このような作り方なので濾過が不完全で、動物性の油脂も残り、寒冷地では冬のエンジンの始動が困難になります。そこで前述したように、食用油を温める油加熱キットなどを取付け、燃料としての粘度を低下させることが必要でした。このようにSVOはほとんどが個人的なレベルでの開発、使用でしたので、本格的な研究もまた研究者もいませんでした。
 これに比較してBDF方式は、ある程度の規模のプラントが必要であるということ、また企業レベルで使用されていることもあり、それなりの研究も研究者も充実しています。

 さて、私達は境問題解決のためのバイオ燃料輸入や生産規模拡大を前提とした、新たなSVOシステムにチャレンジしました。それが長年SVOの研究に取組み、大橋式とも言われている大橋繁雄(ディーゼルサービス(株))氏の濾過装置(遠心分離器や油水分離のシステム)です。

      
       引用:改訂版「バイオディーゼル・ハンドブック」〜地球温暖化の防止と循環型社会の形成に向けて〜 編纂:池上詢  P.8の図T-2


 そこで燃料オイルに対応可能で、かつある程度の規模の生産が可能な廃食油濾過装置を開発して頂きました。それは、HCMS(Hydro Centrifugal Separation Machine)と言われるもので、燃料オイルの精製として、廃食油と後述するBig Wayグループのジャトロファとひまし油に対応が可能なものです。このシステムでは、完全に油の不純物を取り除きますので、沖縄の様な温暖な地域では油加熱キッドなどの必要がありません。これによって価格的にも手間をはぶくことが可能となりました。

 そこで、ジャトロファ・オイルを中心にして、沖縄の地域特性を踏まえた大橋式を使用させて頂きました。この装置の開発によっては、いわばこの3点セットによってはじめて私達の提案、システムが可能になりました。

 引続き「沖縄バイオ特区」、「全国バイオ特区」と「私の主張したい事、言わせてください。」を後日、掲載させて頂きます。